最近、事業承継をお考えのお客様などから
「散らばってしまった株式を整理するためにはどうしたらいいか」
というお問い合わせが増えています。
株主の整理の方法はいくつかありますが、まずは特定の株主と話し合いの上、
その方から直接株券を買い取ることから始めるのが一般的です。
今回は、特定の株主から自己株式を買い取る際の注意点をご紹介します。
特定の株主から株式を買い取ろうとする場合は、他の株主にも
「私の株式も買い取って!」
と言える機会を与える必要があります。
そして、自分の株式も買い取ってほしい株主は、
株式買取を決議する総会開催の5日前までにその旨を会社に申し出る必要があります。
大まかな流れは以下のとおりです。
1.総会の招集通知
◆特定の株主から自己株として株式を買い取る旨の議案があることを記載
◆特定の株主に加えて、自己の分も買い取ることを総会の議案とすることを請求したい株主は、
総会開催の5日前までに会社に申し出ることを記載
2.株主総会の特別決議
3.買取を希望する株主が譲渡の申込期日に申し込む
※申し込み総数が取得総数を超えたときは、
按分配分した数について買取が承認されたものとみなされる。
もっとも、株式の買い取り原資が限られている場合に、他の株主からも買取を申し出られてしまうと、
もともと買い取ろうとしていた株主からすべての株式を買い取ることができなくなってしまい、
買取の目的である「株主の整理」が不完全になります。
このような不都合を定款でカバーすることができます。
下記のような条項を記載しておくことで、他の株主からの追加売却請求を拒否することができます。
第○条
1 当会社は、株主総会の決議により特定の株主からその有する株式の全部または一部を取得することができる。
2 前項の場合、当該特定の株主以外の株主は、自己を売主に追加することを請求することができない。
通常の定款変更手続でこの規程を設定できますので、
株主の構成等を考慮したうえで、検討してみてはいかがでしょうか。
TOMA行政書士法人では、「定款無料診断」も実施しております。
是非、ご活用ください。
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