急に寒くなってきましたね。
木枯らし1号や初雪の便りを聞くようになり、もうそろそろ今年を振り返る時期になりました。
このブログでは、毎回行政書士の主な業務を紹介しております。
今回は「内容証明郵便の作成支援」についてです。
年末を迎える前に、支払の督促などが必要な方は、是非お読みください。
支払の督促のように重要な連絡は、確実に行いたいものです。
しかし、普通の手紙や電話で連絡するだけですと、後日相手の方から
「そんな手紙は受け取っていない、そんな話は聞いていない」
といわれる可能性があります。
そうすると、「連絡した、催促した」という事実を証明することができません。
このような場合には、「配達証明つきの内容証明郵便」を利用することで、確実に連絡することができます。
この方法を利用すると、①連絡した内容と②確かに相手が受け取ったという事実を郵便局が証明してくれます。
ここで、「内容証明(郵便)」とは、
「誰が、誰あてに、いつ、どんな内容の手紙を出したのか」
ということを郵便局が公的に証明してくれる郵便のことです。
また「配達証明」とは、書留郵便物を配達した事実を証明するものです。
相手方が受け取った事実と配達された年月日の証明になります。
確実にこちらの意思を相手に伝える必要がある場合は、内容証明郵便を活用することをお勧めします。
それでは、内容証明郵便について、少し説明しましょう。
◆内容証明郵便の利用場面
では、どのような場合に内容証明郵便を利用すればいいのでしょうか?
法律上の権利義務を主張したり請求したりする場合には、幅広く内容証明郵便を用いることができます。
例えば、以下のような場合があげられます。
○悪質商法による契約の解約、クーリングオフ、信販会社への支払停止の抗弁
○未払い賃金の請求、不当解雇の撤回要求
○セクハラの停止要求及び慰謝料請求
○相手方の保護者や学校に対する子供のいじめの改善措置請求
○ストーカーに対する警告、夫や妻の浮気相手に対する警告
○交通事故の損害賠償請求、保険金請求
○売買代金請求、貸金返還請求
○賃料請求、立ち退き請求、敷金返還請求
○会社名などの商号や商品名などの商標の不正使用に関する差し止め請求
○債権譲渡の通知、相殺の通知
◆内容証明郵便のメリット
○内容証明郵便を送ると、その文面が郵便局に記録として残りますので、
「そんな手紙は受け取っていない」といった言い訳を相手方ができなくなります。
○心理的なプレッシャーを相手にかけることにつながりますので、裁判等によらず速やかにトラブルの予防・解決を図ることができます。
特に法律の専門家に内容証明郵便の作成を依頼した場合には、その資格名と氏名が記載され、
職印(法律の専門家であることを示す印章)が押印されますので、
相手方に対する心理的プレッシャーを期待することができます。
○もし、相手方が内容証明郵便による通知の応じない場合、裁判等を視野に入れた事後策を講じていくことになりますが、「確かにこちら側からの意思表示がなされた」ことが証明されますので、裁判上有利な証拠等として用いることができます。
特に、裁判外で請求することは、消滅時効を暫定的に中断する効果があります。
この請求に内容証明郵便を活用することで、「請求した」という証拠を残すことができます。
ただし、内容証明郵便による請求(催告)は、請求後6ヶ月以内に裁判上の請求等をしないと、時効は中断しなかったことになります。
また、時効完成が6ヶ月延長した場合でも、再び請求してさらに6か月延長させることはできません。
この6ヶ月延長は1回限り可能です。
◆内容証明郵便のデメリット
○内容証明郵便には法的拘束力や強制力はありませんので、相手方が応じてこない場合には、
裁判等に比べればトラブル解決の確実な効果は見込めません。
○内容証明郵便は相手方に対してこちらの意思を強く主張する、いわば「脅し」としての意味もありますので、
相手方との人間関係にひびが入ったり、相手方が意固地になってしまって余計に話がこじれるおそれがあります。
○内容証明郵便は文面が郵便局に残りますので、自分に不利なことをうっかり書いてしまうと、
相手方にとって有利な証拠を提供することになってしまい、逆効果の場合もあります。
◆書式と料金
○内容証明郵便は書式が定めれらており、1行20字以内、1枚26行以内です。
(横書きの場合は、26字×20行、または13字×40行)
インターネットを利用した電子内容証明郵便の制度もあります。
○料金は、内容証明料と書留郵便料が必要です。
内容証明料は、文書が1枚のときは420円、2枚以上のときは1枚増えるごとにさらに250円ずつ加算されます。
書留郵便料は420円。
さらに配達証明郵便にすると、配達証明料として300円が必要です。
◆内容証明郵便の出し方
郵便局の窓口で内容証明郵便の依頼をします。
内容文書1通、謄本2通、封筒を提出すると、郵便局員が書式を調べます。
配達証明を付けたい場合は、その旨指定します。配達証明をつけると、郵便局から差出人へ相手方が受け取った事実を配達された年月日を証明した「郵便物配達証明書」が送付されます。
以上の通り、内容証明郵便は郵便局から送ることができ、比較的安価で手軽に利用することができる制度です。
TOMA行政書士法人では、内容証明郵便の作成等の支援をいたします。
利用をご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。