多くの企業では、未だに基幹系システムのお守りがIT部門の主な業務となっている事が
あります。その為IT部門は、経営層や事業部門とのコミュニケーションがほとんど取れ
ず、内部統制、IFRS(国際会計基準)、情報漏洩対策などでその存在感をアピールする
ものの、新規提案(経費が増える提案)をすると経営層から嫌われてしまうという傾向に
あります。
その一方で、クラウド・モバイル(スマホ/タブレット)など、いわゆる第三のプラット
フォームの一般化で、事業部門はIT部門の助けを借りることなく、IT基盤を利用し、
コスト削減の提案を出来るようになり、IT活用は加速度的に進んでいます。
こうした案件では、事業部門とITベンダーとの間で話を進めてしまい、導入直前に
ようやくIT部門が呼ばれるというケースが多くあります。
IT部門としては「急に言われても困る」「忙しくて対応できない」ということに
なり、もっとも重要な「セキュリティ面で問題がある」という課題への対応が
おろそかになってしまいます。
事業部門がITベンダーのクラウドを利用・推進することになってしまうと
IT部門とはますます疎遠になっていきます。そうなると不意のトラブルに速やかに
対処することができなくなり、結果的に業務に支障を来すことになります。
IT部門と経営層は、普段から経営とのコミュニケーションがなければいけません。
IT部門が、自らの機能の強化をめざすならば、そのために必要なインフラや人材
リソースへの投資を確保しなければなりません。
これは、プロジェクト案件に対する投資とは別に、IT部門そのものに対する投資です。
全社の経営方針に照らし合わせ、IT部門のめざすべきゴールとそこに至るロードマップを
示し、必要な投資を、必要なタイミングで導入・提案しなければなりません。
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