どんな職場でも一人くらいは周りとの折り合いがつかず、協調性に
欠ける社員がいるものです。このような社員がいると周りの社員の
士気が下がったり、「一緒に働きたくない」といった不平不満が出たり、
あるいは上司に歯向かってくることがあるかもしれません。こういった
社員を処分するにはどのような点に注意することが必要でしょうか?
◆業務の遂行にとって重大な障害となっているか
ただ単に性格が悪い、折り合いが悪いという理由だけでは解雇は認め
られません。協調性のない社員の解雇が認められるには、社員の行動は
いうまでもなく、業務の内容・環境もポイントとなります。
つまり、その職員の携わる業務がチームワークの不可欠な作業である
場合や、少人数の職場(10人程度)であるか否かということが焦点にな
るのです。
チームワークが必要な職場であるにも関らず、他の社員と協調を取ら
ない社員に対しては解雇の余地があるということです。
◆解雇する時の注意点
判例も上記のような職場環境・状況においては、協調性のない社員に
対しては解雇事由の「職務能力不良」にあたるとして解雇を認めていま
す。しかし、このような場合でも解雇権濫用の法理(労働基準法第18条、
詳しくは第2回藤間だよりをご覧ください)により、いきなり解雇が認
められるわけではありません。
つまり、使用者が解雇を回避する方策を取ったかということが問われ
ます。具体的に言うと、
・問題社員を配置転換して、チームワークを必要としない部署に異動し
たか?
・部署転換ができないような少人数の会社であっても、上司や会社側が
その社員に対して態度を改めるように指導をしたか?
などといった事を使用者側は配慮しなければなりません。
以上の様な配慮を使用者側がしたにもかかわらず、社員が態度を改める
事がない場合に、はじめて解雇が有効なものとして成立します。
◆今回のポイント
◇ただ、協調性がないというだけではダメ!
↓
◇配置転換はしたか?
配置転換が出来ない少人数の職場であれば、
社員を更正するような指導を取ったか?
↓
◇それでもダメなら解雇
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