まず、正社員を採用する際にはほとんどの企業で設けている試用期間
について考えてみたいと思います。
試用期間を設ける、設けないについての法律上の制約というものは特
にないので、正社員に対しても、パート・アルバイトに対しても、労働契約
を締結する中で、労働条件の一つとして試用期間を設けることは可能で
す。しかし、そもそも試用期間というのは、長期勤続を前提として、長期
間その就労環境に溶け込み、保有するの能力を発揮することができるか
どうかの適正を見極めるための期間ですので、主たる業務が単純定型業
務で、雇用形態も数ヶ月から1年程度の有期契約であることが多いパー
ト・アルバイトに対して、数週間から数ヶ月の試用期間を設けることは、あ
まり有意義なことではありません。
次に、前々回ご説明した有給休暇の他、産前産後休業や育児介護休
業、子の看護休暇、生理休暇といった、パート・アルバイトであっても付与
しなければいけない法定休暇については、パート・アルバイトから請求が
あれば付与しなければなりません。特に、パート・アルバイトには主婦を中
心とした女性の方々が多く、これらの方々を中心に請求される可能性があ
るので、「多数精鋭・短時間労働型」の人員構成にして、いざ休暇を請求さ
れたとしても休暇で仕事に穴を開かせない体制を作る必要があります。
その他、慶弔休暇や夏季・年末年始休暇等、法定外休暇について設け
るか否かは会社の裁量で決めることができます。ただし、これらの休暇を
設ける場合には、労働条件として明示したり、就業規則に規定するといっ
たルール化が必要になります。 通常、パート・アルバイトというのは、正
社員と異なり、週4日や週3日等正社員の労働日数よりも少ない労働日
数で働くことが多く、また、就労日もシフト制により柔軟に決められることが
多いので、これらの法定外休暇については、特に設けなくても、決められ
た就労日の範囲内で柔軟に調整できるはずです。
次回は、休職と服務規律、懲戒について考えてみたいと思います。
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