厚生労働省は4月22日に医療保険の審査支払業務の効率化や質の向上に向けて検討する「審査支払機関の在り方に関する検討会」の会合を開きました。
社会保険診療報酬支払基金と国民健康保険団体連合会のレセプトの審査業務を統合できないかとの意見に対し、支払基金は「考えられなくはない」との同調するような返答でした。しかし一方、東京都国民健康保険団体連合会側は、「制度面の検討が必要だ」という慎重な意見に留まっています。
また、支払基金と国保連は昨年11月、政府の行政刷新会議の事業仕分けで、「競争原理に基づいて改善が図られるとは思えない。統合を検討すべき」と指摘された経緯もあります。
会合では、「両機関は背景も保険者の対応も違うが、レセプトの審査の部分を見ると、共通の部分もかなりある。国保連と支払基金では審査基準に差があり、国民が平等な医療を受ける上ではゆがみのある構造である」という主旨の審査業務の統合の提案がなされました。「審査面では、同じ点数表を使っているので統合が可能でではないか?」というような意見もあるものの、「両機関の制度面には、国保連の審査員を任命するのは都道府県知事で、支払基金は理事長が任命するといった違いがあるので慎重な検討が必要である」などの異なる意見も出ています。
「審査の統合は、先の事業仕分けで指摘のあった『競争』に反している」という意見に対しては、「2つに分かれていることにより、適切な競争が起きるというわけではない」との反論もあります。
このように、今後、すぐに結論にたどり着くことは難しいと予想されますが、いずれの方向にすすんでいくにせよ、現場での柔軟な対応が求められることが考えられます。
一括して請求できるようになれば、形式も統一して効率的に処理することが可能になり、作業時間の短縮化が予想されます。だだ、新しいシステムの導入やそれに伴う研修など、初期投資や時間がかかることも考えられます。
大きく体制が変わったとしても、状況をいち早く掴んで方向を見定めることができるよう、TOMAはお手伝いをしています。
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