限りある医療資源を適切に配分するため、2025年に向けて医療機能の分化と連携が求められていますが、2014年10月より医療機関(一般病床と療養病床を有する病院又は診療所)の有する病床が担う医療機能の現状と今後の方向を選択し、病棟単位を基本として都道府県に報告する仕組みである病床機能報告制度が導入されることになりました。
都道府県は、この制度により報告された情報を基に、地域の医療機関が担っている医療機能の現状を把握し分析します。
そして、医療需要の将来推計等を加味して、2025(平成37)年における二次医療圏等ごとの各医療機能の需要と必要量を含め、その地域にふさわしいバランスのとれた医療機能の分化と連携を適切に推進するための地域医療構想(ビジョン)を策定し、医療計画に新たに盛り込み、さらなる機能分化を推進します。
また、国は、報告された情報を活用し、地域医療構想(ビジョン)のガイドラインを策定します。 地域医療構想(ビジョン)においては、2025年の医療需要と、目指すべき医療提供体制(二次医療圏等ごとの医療機能別の必要量)、それを実現するための施策(医療機能の分化・連携を進めるための施設設備や医療従事者の確保・養成等)が策定されます。
【報告項目の概要】 病床が担う医療機能や構造設備・人員配置等、具体的な医療の内容に関する項目を報告することになります。 病床が担う医療機能については、以下の各時点について、病棟単位の医療機能を4つの機能(高度急性期機能・急性期機能・回復期機能・慢性期機能)から選択します。
① 現在の医療機能(2014年7月1日現在)
② 6年が経過した時点における医療機能の予定
③ 来年や2年後といった比較的短期の医療機能の変更予定が ある場合、変更の時期のめどと変更後の機能
④ 2025年度時点における医療機能(任意)
これまで医療機関ごとの機能は外から見えづらいものでしたが、医療機能を自主的に選択することで、2025年に向けたステップになるものと思われます。 これにより、地域の医療提供体制の現状と将来像について共通認識を持ち、医療機関の自主的な取り組みと医療機関相互の協議によって、医療機能の分化・連携が進められるようになります。
今後の病院経営においては、ますます、自院の機能を明確にして地域内でのポジショニングに合う病床機能の選択が求められてくると思われます。
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