~決算隊ブログ 2 ~ 火災等で資産が滅失した場合
間違えやすい消費税シリーズ第2回目は、資産が火災等で滅失した場合の消費税の対象についてです。
Q.当社所有の倉庫(簿価15,000千円、時価12,000千円)と、中に保管していた商品(簿価315千円)が火災により全焼してしまいました。その後、火災保険の保険料11,000千円を受領し、新倉庫10,000千円を新築しました。
この場合、①商品の仕入、②倉庫・商品の焼失、③保険金受領、④新倉庫建築
それぞれに関する消費税の取り扱いは、どうなりますか?
A.消費税は、「事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡、資産の貸付け及び役務の提供」と「外国貨物の輸入」を課税の対象としています。
①商品を仕入れるということは、「対価」を払って「資産の譲渡」を受けることになるため、消費税の課税取引になります。用途や顛末、つまり目的どおり売ることができたか、滅失してしまったか、ということは問題ではありません。したがって、仕入金額に係る消費税額が仕入税額控除(売上にかかる消費税額から控除)の対象となります。
②資産の滅失は、もちろん「資産の譲渡、貸付け、役務の提供」いずれにも該当しませんので、消費税の対象外です。
③保険金は、保険事故の発生に伴い受け取るものであり、「資産の譲渡等の対価」として受け取るものではありません。したがって消費税の対象外となります。
④「対価」を払って「資産の譲渡」を受ける場合は、それが減価償却資産として計上されるものか、費用として計上されるものかに関わらず、消費税の対象になります。したがって商品の仕入と同様、建築費に係る消費税額が仕入税額控除の対象となります。ただし「減価償却費」の計上は「対価」の支払いを伴うものではないため、消費税の対象にはなりません。
うじゅ☆