~決算隊ブログ 32~
今回は「永年勤続者に慰安旅行費用を支給した場合」の仕訳をご紹介します。
≪事例≫
勤続10年の社員には31,500円(消費税1,500円を含む)相当の国内旅行クーポン券、勤続20年の社員には50,000円相当の海外旅行クーポンを贈呈することにしている。当期は国内旅行クーポン券を94,500円(消費税4,500円を含む)、海外旅行クーポン券を100,000円贈呈した。なおこの海外旅行クーポン券には国内宿泊費、国内運賃等は含まれていない。
≪仕訳例≫
(借)福利厚生費 90,000円 / (貸)現金預金 194,500円
給与手当 100,000円 /
仮払消費税等 4,500円
≪解説≫
永年勤続表彰の経済的利益は次の2つの要件を満たせば、源泉所得税の徴収の必要はなく、福利厚生費となります。
① 利益額が、その社員等の勤続期間等を照らし、社会通念上相当と認められること
② 表彰が概ね10年以上の勤続年数の人を対象にし、2回目は概ね5年以上の間をおくこと
また海外旅行は社会通念上相当と認められませんので、給与手当となります。
≪消費税について≫
旅行クーポン券は物品切手等に該当しますので、物品又は役務の引換給付を受けた時にその事業者の課税仕入となり、これを購入した時には課税仕入とはなりません。しかし法人が永年勤続者に支給するために旅行クーポン券を購入する場合は、その旅行クーポン券について法人が自ら役務の引換給付を受けるものと同じ状況にあることから、法人の課税仕入となり、仕入税額控除の対象としてよいとされています。なお海外旅行クーポン券は国内における資産の譲渡等になりませんので、課税仕入には該当せず、仕入税額控除の対象にはなりません。
りんりん。