◆ 代金の回収が遅れると・・・
代金の回収が遅れると、売上債権回転率が下がり安全性が低下します。
実際には、会社の中の現金(キャッシュ)が減るという問題と、代金が回収できなくなり不良債権になるという2つの問題がおきます。
(1) キャッシュが減る
商品を売れば、代金が回収されなくても売上が計上され、利益も増えます。しかし現金は増えていません。実際には商品を作るのに必要な「材料や部品を買うためのお金」が会社から出て行くので、代金回収が遅れると、「会社の手持ち現金」はどんどん減り、最悪の場合は「黒字倒産」になります。
(2) 不良債権になる危険
回収先企業が倒産すると商品を売った代金は回収できず、「材料や部品を買うために使ったお金」がまるまる損になります。このように代金回収が遅れると、その債権は不良債権になる危険があり、最悪の場合は、回収企業に続いて自分の会社も潰れる「連鎖倒産」になります。
◆ 代金を確実に回収するには・・
代金を確実に回収するためには、貸出先への与信管理と、貸出後の与信基準額内での
売上債権管理を行うことが重要です。
(1) 与信
相手企業との取引をするときに、「売掛金」「受取手形」を使う場合には、相手企業への「与信」が必要です。具体的には取引企業の安全性などをチェックして、その結果で「取引可否」を判断しましょう。
(2) 与信管理
取引相手に対していくらまでの売上債権を認めるかの「与信限度額」を設定しましょう。次に、「売上債権」が「与信限度額」を超えないように管理をしたり、月末に「売上債権」と「与信限度額」を比較したりして、「売上債権」が超過していたら代金の回収を急ぎましょう。