税制改正の目玉の一つである「所得拡大促進税制」につき、経済産業省から以下のリンクより詳細情報が発表されました。
http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/syotokukakudaisokushin/syotokukakudai.htm
個人の所得拡大を目的とした税制には、実はこの「所得拡大促進税制」の他にも、「雇用促進税制」というものが既に施行されております。
「雇用促進税制」は、一定数以上雇用者数を増加すると、雇用増加数1人当たり20万円の税額控除が受けられるという制度ですが、以下の点から利用しにくいという声が上がっていました。
・前2年内に、事業主都合による離職者がいると受けられない
・事業年度開始後2ヶ月以内に、雇用促進計画をハローワークに提出しなければならない
・事業年度終了後2ヶ月以内に、雇用促進計画達成状況について ハローワークの確認を受けなければならない
このように、手続的にも実務的にも、利用しづらい制度となっております。
一方、「所得拡大促進税制」の適用に当たっては、事前に特段の手続を行う必要は無く、さらには事業主都合による離職者がいても適用を受けられることが、今回経済産業省から発表されたQ&Aにおいて明らかになりました。
この新制度の内容は、以下の要件を満たした場合、給与等支給増加額について10%の税額控除を認めるという制度です。
(ただし、法人税額又は所得税額の10%(一定の場合は20%)が税額控除限度額)
1.給与等支給額が基準事業年度の給与等支給額と比較して5%以上増加していること
2.給与等支給額が前事業年度の給与等支給額を下回らないこと
3.平均給与等支給額が前事業年度の平均給与等支給額を下回らないこと
この場合において、「基準事業年度とは、平成25年4月1日以後に開始する各事業年度のうち最も古い事業年度の直前の事業年度をいう。」とありますので、例えば3月決算の医療法人においては、平成25年3月期の数字が基準となります。
個人事業主の場合は、平成25年度が基準となります。
なお、法人の役員等一定の者に対するものは給与等支給額には含まれないので、役員報酬のみを増額しても税額控除は受けられません。この点にはご注意下さい。
適用を受けるためには、給与支給額の5%増加、かつ平均給与額の維持が必要となりますが、スタッフの増員を考えている医院にとっては比較的クリアしやすい値かと思います。また、昇給額や賞与支給時期の工夫次第では、増員しなくとも税額控除が受けられるかもしれません。
せっかくの制度ですので、有効活用できるよう打つ手を考えていきましょう。TOMAコンサルタンツグループでもご相談をお受けしておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
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