前回は、『平成25年度税制改正大綱』における、
社会保険診療報酬の所得計算の特例についてご紹介させていただきました。
今回は、これ以外の主要な項目についてピックアップしてお伝えしていきたいと思います。
(↑増税項目 ↓減税項目)
1.個人所得課税
◆所得税の最高税率の引上げ(↑)
平成27年分以後の所得税について、課税所得4,000万円超について45%の税率を設ける。
◆住宅借入等を有する場合の特別控除の拡充(↓)
対象期間が延長され、最大控除額が増額。
◆上場株式等の10%軽減税率の廃止(↑)
上場株式等の配当等及び譲渡所得等に係る10%軽減税率(所得税7%、住民税3%)は、
平成25年12月31日をもって廃止。
2.資産課税(相続税・贈与税)
◆基礎控除の見直し(↑)
平成27年1月1日以後の相続又は遺贈について
現行の相続税の基礎控除「5,000万円+1,000万円×法定相続人」を「3,000万円+600万円×法定相続人」とする。
◆相続税の税率構造の見直し (↑)
平成27年1月1日以後の相続又は遺贈について
相続税の税率について8段階の税率構造とし、最高税率を現行の50%から55%に引き上げる。
◆小規模宅地等の計算の特例の見直し(↓)
平成27年1月1日以後の相続又は遺贈について
特例の対象となる宅地の面積が拡大されるなどの見直しがなされる。
◆贈与税の税率構造の見直し(↑)
平成27年1月1日以後の贈与について
贈与税の税率について一部の税率を引き下げ、最高税率を55%に引き上げる。
◆教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置(↓)
祖父母等が孫(30歳未満)に将来の教育資金を一括贈与した場合、1,500 万円を上限として贈与税が非課税となる。
具体的には、金融機関、銀行及び金融商品取引業者に信託等の手続きを要する。
3.法人課税
◆雇用・労働分配を拡大するための税制措置の創設(↓)※所得税も同様
雇用者給与等支給増加額が基準雇用者給与等支給額に対して5%以上増加させた場合には、
その増加額の10%を税額控除するできることとする。
ただし、法人税額の10%(中小企業者等については20%)を限度とする。
◆雇用促進税制の拡充(↓)※所得税も同様
税額控除限度額を1人当たり40万円(現行20万円)に引き上げる。
◆交際費等の損金不算入制度の見直し
交際費等の損金不算入制度の中小法人に係る損金算入の特例については、定額控除限度
額を現行の600 万円から800 万円に引き上げるとともに、定額控除限度額までの金額の
損金不算入措置(現行10%)が、廃止されることになる。
◆医療用機器等の特別償却制度の延長・見直し(↓)※所得税も同様
適用期限を2年間延長し、対象機器等の見直しを行う。
総じて、資産家を中心とした個人への課税強化と、国内の民間投資を活発化させる
ための施策が多く盛り込まれたものとなりました。
特に相続税・贈与税の増税項目にあっては、病医院関係者にとっても大きな影響を及ぼすものであり、
今後の動向に注視していくとともに、しかるべき対策を打っていくべきです。
疑問点等がございましたら、お気軽に弊社までご連絡ください。
最近のコメント