今、「消費税非課税訴訟」という言葉が世間をにぎわせています。
これは、診療報酬に対する消費税が非課税措置にされていることは憲法に違反するのではないかとして、兵庫県の民間病院が国に対し賠償を求め訴えた事件であります。
この訴えに対して、国は全面的に争う姿勢をとっており、今現在双方の主張を整理する弁論準備の手続きに入っています。
ご存知かと思いますが、社会保険診療は非課税であるため患者様から消費税を頂きません。しかし、その診療を行う上で必要な医薬品等の購入は消費税がかかります。
消費税の概要について、図1で示しました。消費税は、事業者が売上げの際預かった消費税から、仕入れの際支払った消費税をマイナスして残った消費税分を国と地方公共団体に納めます。
本来ならば、図1の「仕入れの際、支払った消費税」は全額控除されるわけです。しかし、このうち社会保険診療割合分は控除されないのであります。社会保険診療の割合が高い医療機関では、その対応する消費税分(控除対象外消費税)が控除できないことは大きな負担を医療機関が負っているのです。この控除対象外消費税の割合は社会保険診療収入の2%以上にもなっています。
控除対象外消費税の内容については図2をご参照下さい。
この負担軽減のため、診療報酬に消費税分の補填として上乗せがされているとはいえ、充分とは言いきれません。さらに設備投資した場合には、控除できない消費税分が増大するため莫大な負担を医療機関が負うことになるのです。
今回の訴訟はこの問題を考える良い機会といえ、また医療業界で注目されているだけにその判決の行方が気になります。
この問題が解消されなければ 今後、消費税が増税される流れの中、さらに負担が増えるかもしれません。今後ともいち早く動向をお伝えしていきますので、ご注目ください。
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