既に病院ではレセプトのオンライン請求が始まっていますが、原則としてレセコンがあるクリニックは2010年度、レセコンのないクリニックは2011年度から義務化されます。
ここでレセプトオンライン請求がクリニックに与える影響を考察してみることにしました。
【メリット】
・ レセプトを電送するために、提出する手間が省ける
・ 紙に出力する必要がなくなるため、コピー用紙等のコストが下がる
・ 受付事務点検ASPでレセプトの事前点検ができる
・ レセプトの受付時間が長い
【デメリット】
・ 導入費用がかかる(レセコンがない場合は特に費用がかかる)
・ 情報漏えいの危険性
一見してみるとメリットが多いように思われます。
確かに既にレセコンを導入しているクリニックでは無駄な作業等が無くなり、
メリットを享受できる可能性が高いようです。
開業当初からレセコン又は電子カルテを導入しているクリニックはいいですが、そうでないクリニックは初期コストが200~300万円かかるといわれております。
また、レセコンのあるクリニックでも電子レセプトの作成に対応していない場合もあるようで、そうなるとまた追加費用がかかってしまいます。
ニチイの調査によるとレセプトオンライン請求の義務化(原則)により約1割のドクターが廃業を余儀なくされる見込みだそうです。つまり、日本全国に約10万件のクリニックがありますから、約1万件のクリニックが無くなるということです。医師不足が叫ばれている中、これは逆行する流れになります。
国税は電子申告をすると税金が還付される場合には、紙ベースで提出する場合よりも、還付にかかる日数が半分になる等のメリットがあります。レセプトオンライン請求も上記のようなメリットがあれば導入が促進されるのではないでしょうか?(例えば、診療報酬収入が1ヵ月後に入金されるetc.)
いずれにしても医師不足が叫ばれている中、廃業せざるを得ないドクターが出てしまうやり方でオンライン請求の義務化を進めるのはいかがなものでしょうか?今後の政局の動向にも左右されそうですが、今後の動向を見守るしか今のところはなさそうです。
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