ゴールデンウイークも終わり、新緑が美しい爽やかな季節になってきました。
今回の間違えやすい消費税シリーズ第30回目は“証券投資信託に係る分配金の取扱い”についてです。
Q. 証券投資信託は、株式、公社債等について投資運用されるもので、その収益の分配金は利子、配当、売買益等から構成されるものですが、消費税の取扱いはどうなりますか?
法人税法上の受取配当金等の益金不算入制度において、分配金の2分の1又は4分の1を配当として取扱うこととされているので、消費税法上もその部分を配当として課税の対象外とし、残りの部分を利子として非課税とするのですか?
A.
(結論)
その支払を受ける分配金の全額が、資産の譲渡等の対価に該当し、令第10条第3項第2号(合同運用信託等に係る収益分配金)の規定により、消費税法の非課税となります。
(解説)
証券投資信託の投資家が行う資産の譲渡等を実質的にみれば、それは、運用実績に応じた利子を対価として、金銭を委託者(証券投資信託委託会社)に預入する、すなわち、貸付ける行為と考えられます。したがって、証券投資信託に係る分配金は、その原資が有価証券の売買差益、株式の配当、公社債の利子等で構成されるものであっても、分配金の支払を受ける投資家にとっては、その収益の分配金は金銭の貸付けの対価である利子に類するものになるので、消費税法の非課税とされます。
なお、法人税法と所得税法における証券投資信託に係る分配金の取扱いについては、消費税法とは異なり、それぞれ下記のように取扱われます。
(法人税)
証券投資信託のうち株式投資信託については、収益の分配金の2分の1、又は4分の1を益金に算入しない。(法法令19の3①)
(所得税)
証券投資信託の係る収益の分配金のうち、株式投資信託に係るものは配当所得として、また、公社債投資信託に係るものは利子所得として課税する。(所法23①、24①)
うりずん♪