今回は私どもの事務所でも取り組んでいる「公益認定」に関する最新動向をお知らせします。
公益認定等委員会が公表している「申請・審査・答申等の件数、審査に要している日数」(平成21年8月末現在)等の概要は以下のとおりとなります。
(1)申請・審査・答申等の件数
① 申請件数 延べ172件
(内訳)移行認定105件、移行認可36件、新規認定30件、変更認定1件
② 審査中の件数 126件
(内訳)移行認定82件、移行認可24件、新規認定19件、変更認定1件
③ 答申の件数 27件
(内訳)移行認定14件、移行認可6件、新規認定7件、変更認定0件
④ 取り下げの件数 19件
(内訳)移行認定9件、移行認可6件、新規認定4件、変更認定0件
(2) 審査(申請受付から処分まで)に要した日数(平成21年8月末までに処分が終わったもの)
① 平均所要日数
移行認定申請131.1日、移行認可申請121.8日、新規認定申請119.6日
② 最長・最短所要日数
移行認定申請 最短91日、最長201日
移行認可申請 最短87日 最長182日
新規認定申請 最短69日 最長223日
<傾向について>
上記傾向からすると、全般的には「まだ様子見」であることがわかるかと思います。ちなみに認定・認可・新規いずれもほぼ4ヶ月前後の時間がかかっているようです。
現在、特例民法法人が全国で約25,000法人あると言われていますが、申請したのが平成21年8月末現在で約200件、そのうち認定、認可を受けた法人が約30件ですから、1%にも満たない数の法人しかアクションを起こしていない計算になります。
なお、申請した法人の7割(119件)が財団法人とのことで、25,000法人の社団・財団の内訳としてはほぼ同数であることを考えると、財団のほうが積極的にアクションを起こしているという傾向も見られます。
もっとも、件数としてそもそも1%に満たない数しかサンプルがないところで、傾向を見出すこと自体に少々無理があるのかもしれませんが・・・
<今後の対応について>
公益認定コンサルティングのお仕事をさせていただいていてよく聞く話に、
「何から手をつけていいのかわからない」
「制度自体が難しすぎてよくわからない」
等々があります。
何をしたらよいのか分からずに時間だけが過ぎている法人様も多く、そのことが上記の傾向として現れていると言えるかもしれません。確かにこの制度は「簡単」ではありませんが、法人のあり方、事業のあり方等を見直すチャンスでもあります。是非チャンスと捕らえていただき、早期にアクションを起こすことをお勧めします。とはいえ、制度はやはり複雑ですので、専門の方に相談しながら進めていくのが現実的かと思います。