決算隊ブログ⑰~暴落したゴルフ会員権(50%以上評価減)~
【事 例】
バブルの頃、会社名義でゴルフ会員権を税込1,050,000円(うち預託保証金300,000円)で買いました。そのとき、仲介業者に税込105,000円で払いました。その後、バブルは崩壊し、ゴルフ場も経営が傾きました。新たに資金援助を受け、新社長のもと現在経営の再建中ではありますが、インターネットで相場を調べてみたところ、決算日現在100,000円で、バブルの頃の市場価格までとても回復する見込みはありません。
【仕 訳】
Ⅰ.ゴルフ会員権を買ったとき
(借) ゴルフ会員権 1,100,000 (貸) 当座預金 1,155,000
仮払消費税等 55,000
Ⅱ. 決算日現在
(借) ゴルフ会員権評価損 700,000 (貸) ゴルフ会員権 700,000
貸倒引当金繰入額 200,000 貸倒引当金 200,000
【表 示】
ゴルフ会員権 投資その他の資産
ゴルフ会員権評価損 特別損失
貸倒引当金繰入額 特別損失
【解 説】
ゴルフ会員権ほど脆弱で、内容の不確かな権利はありません。株式が発行されるのであれば、会社の実質的所有者たる株主に準じられ、経営に物申したり、破綻すれば、残余財産の分配を受けられる可能性がありますが、預託保証金があれば、その金額の範囲内では、優先プレー権のみを内容とする会社外部の債権者に準じた取り扱いとなります。すなわち、原則として、取得原価をもって貸借対照表価額としますが、時価ないし実質価額が著しく下落した場合は(取得価額の50%以下)、預託保証金の金額までは減損処理します。もっとも、例外的に回復する見込みがあるときは、評価損は計上しません。ただし、例外なので、こちらで回復する見込みがあるという証拠を揃える必要があります。一方、預託保証金の金額より時価が下がれば、その分だけ貸倒引当金を計上します。
吉田こと田中