いまやコストダウンは企業経営における重要なテーマの一つといっても過言ではありません。今回は『時間管理から始めるコストダウン』をテーマに、企業が正しいコストダウンを進める際の考え方についてお話します。
【時間管理の考え方】
企業が取り組むコストダウンの方向性は様々です.経営関連書籍などみると、生産現場における管理手法として時間管理が論じられています。生産現場における時間管理とは、もっとも効率的な作業内容を追求し、経営数値として取り扱えるレベルに定量化し、それを管理することです。不安定作業を改善し、より効率的な作業内容を設計する手法を研究することと、設計された作業を時間値として定量化する作業測地によって時間管理は可能になります。言葉が少し難しいのでとっつきにくいと感じる方がいるかもしれません。
要するに、どちらの機械を導入すれば作業の効率化が図れるか、誰にお願いすればより仕事がスムーズに進むか、どの原料を使えば、仕入原価が安くいい商品をつくれるか。時間管理とはまさに工夫と、短縮、能率であり、それがコストダウンにつながるということです。時間管理を徹底することで、はっきり効果が現れるのは残業にかかるコストの減少です。残業には「業務が過剰である」という理由よりも、「業務遂行の効率が悪い」「社員の意識に問題がある」ケースのほうが多いのです。
業務の非効率により発生する残業は、業務の手順を見直すことで、大幅に改善します。また、社員に意識がある場合は、企業経営者が時間管理の大切さを常々口にすることで、幹部職員にも時間管理の大切さが浸透し、ひいては各従業員が業務時間中の時間の使い方を工夫するようにもなります。これだけでも残業は大幅に減少します。これは、従業員にとっても、最終的にはよいことになります。生産性を高めるということは、最初は厳しくても、それが実現されると、より少ない拘束時間で、より多い給料をもらえる仕組みが企業にできることになるからです。
時間管理といっても企業それぞれの業務内容や状況によって取る施策は千差万別です。工場などで用いられる時間管理の手法としては、ストップウォッチを用いて標準の作業時間を算定し、業務にかかわる時間を計算して効率化を図る手法もあります。
工夫、短縮、能率を上げることが直接コストダウンにつながる。そのためには、
自社の事務、作業の工程にまだ工夫や短縮の余地はないか
従業員の能率を上げるためには、会社としてどのような施策が考えられるか
従業員一人一人に時間コストに対して高い意識をもたせられるか
経営陣がその体質改善に対して、明確な方向付けができるか
時間管理と堅苦しく考えることなく、時間意識の浸透と効率化に向けた取り組みをまず一つ始めてみましょう。
【仕事を効率よく進めるための20のコツ】
1.作業にかかる時間を見積もる
2.「締め切り」を設定する
3.正しい時間帯を選択する
4.自分へのアポを取る
5.完璧主義に陥らない
6.「すきまの時間」を活用する
7.メールや書類などの処理は一度に済ませる
8.上司や先輩に遠慮せず相談し、仕事の進め方を観察して模倣する。
9.仕事は前倒しにして進め、「すぐやる」習慣を身につける
10.早起きの習慣をつける
11.「仕事の重要度」と「求められている期日(時間)」などから仕事に優先順位をつける。
12.重要度は自分や会社にとって重要かどうかではなく、顧客にとって重要かどうかと成功報酬で決める。
13.優先順位に基づいて、仕事の時間配分(時間管理)を行う。
14.無駄を省く。
15.整理整頓を心がける。
16.ファイル管理をする。
・「完了」「仕掛中」「今後」など仕事の進捗状況ごと
・ 顧客や取引先、提携先ごと
・ 「月次報告関係資料」「経費請求関係資料」などのように仕事の内容ごと
17.無駄な手間を減らすために、会社で使っているパソコンソフトやOA機器などを、いち早く「使いこなせる」ようになる。
18.自分のやるべき仕事を整理する癖をつける。
19.仕事の予定表と仕事の記録表をつけ、予実管理する。
20.「考える時間」を定期的にとる。
【参考文献】
日経ビジネスオンラインHP 「仕事を効率よく進めるための9つのコツ」
日経ビジネスオンラインHP 「夜中に無理するか、早朝に持ち越すか」
三菱UFJビジネススクエア 「新入社員のためのビジネス講座~一歩先に進むための効率的な仕事の進め方~」
効率化により生産性があがれば、従業員も早く帰って楽になり、給料がよくなるので生活水準もあがる。従業員満足度があがる。企業は業績がよくなる。結果、会社経営がしやすくなり、社長様の負担やお悩みも減るはずです!ぜひ、試みてみて下さい。
(tomo)