医療機関の皆様が使用している、レントゲン設備や歯科診療用のユニットなどの医療機器は、固定資産に該当します。本年度の税制改正によりこれらの固定資産は、今までの取得価額の5%を残存価額として残す方法から、備忘価額である1円を残す方法に改正になりました。よって、現時点で取得価額の5%まで償却が済んでいるこれらの医療機器についても、1円に達するまでの償却をすることが可能となります。
ところでこの「医療機器」、耐用年数省令上は「機械及び装置」に該当しないことをご存知でしょうか?
耐用年数省令上、医療機器は「器具及び備品」に該当することとされています。「機械及び装置」と「器具及び備品」で何が違うかというと、一番影響を受けるのが特別償却です。
機械及び装置の場合、「中小企業者等の機械等の特別償却」という規定がありますが、医療機器は「機械及び装置」ではないため、この規定の適用を受けることが出来ません。その代わりに「医療機器等の特別償却」という規定を受けることができます。両者を比較すると図1のようになります(取得資産の種類によって取得価額や特別償却率が少し異なります)。
このように、医療機器等の特別償却は、取得価額の要件が厳しいため適用範囲が狭められてしまいます。適用を受けられたとしても特別償却率が低いので、その効果は少ないものとなってしまいます。
仮に、500万円の固定資産を取得した場合、特別償却額に80万円の差が生じてしまうのです。
ただし病院で使用するものであっても、医療機器ではない給食用設備やクリーニング設備であれば、「機械及び装置」に該当するため、中小企業者等の機械等の特別償却の適用を受けることができます。
図1
特別償却の種類 |
取得価額 |
特別償却率 |
中小企業者等の機械等の特別償却 |
160万円以上 |
30% |
医療機器等の特別償却 |
500万円以上 |
14% |
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