今回も日常作成される文書の課否判定です。今回ご説明するのは『受領通知書』になるのですが、互助会に加入した場合の『互助会会費受領通知書』を題材といたします。
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互助会会費受領通知書
○○ ×× 様
先般、平成23年6月30日付で、当互助会にご加入頂き、御礼を申し上げます。
今後におきましては、貴殿の冠婚葬祭におけるサービスその他につきましては、会員としてご利用いただけます。
また、ご契約の際に、入会金として100,000円の入金をお願いしておりましたが、下記の通り振込による入金を確認いたしました。なお、入会金につきましては、ご契約の際にご説明差し上げました通り、今後の冠婚葬祭サービス提供のために利用させていただくため、返還ができないものとなっております。
後日、正式な領収書を発行させていただきたく存じ上げます。取り急ぎ、ご入金を確認いたしましたことをご通知申し上げます。
平成23年7月20日
入 金 額 100,000円
入金年月日 平成23年7月10日
入 金 者 ○○ ×× 様
今後とも宜しくお願いいたします。また、御用がおありの際は、担当者までご遠慮なくお申し付けくださいますよう、お願いいたします。
冠婚葬祭互助会 株式会社 藤間社
代表取締役 藤間 春男
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- この文書は、冠婚葬祭互助会に加入契約をした顧客に対して、主宰会社が、加入に係る入会金の振込入金の事実の確認のために顧客に対して交付するハガキ形式の文書です。
- 文書の記載内容からすると、入会金の入金の事実があったことを通知するものであり、金銭の受領事実を証明するために作成されたものと認められます。したがって第17号文書の「金銭又は有価証券の受取書」に該当することになります。
- 受取の証明の目的となる金銭は入会金ですが、この入会金は冠婚葬祭サービスのために利用され、顧客には返還されません。よって役務の提供の対価と認められ、売上代金に該当します。
- 以上のことから、この文書は、第17号の1に掲げる「売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書」に該当し、記載金額が100,000円ですので、貼付する印紙の額は200円となります。
- この文書の後半部分に、「後日、正式な領収書を発行する」旨の記載がありますが、印紙税においては同じ取引において文書を複数作成する場合には、その文書が課税事実を証明するものであると認められる限り、その複数作成する文書すべてに印紙の貼付が必要となります。したがって、本事例においては、事例の文書と、後日発行する領収書の双方が「売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書」に該当するものとして、印紙の貼付が必要となるのです。
- このような文書については、ハガキ形式であったり、後日正式な領収書を発行したりするケースが多いことから、課税文書に該当するという認識が薄いように思われます。実務的にも、このような文書で多額の不納付事例が見受けられますので、注意を要します。顧客サービスの観点からの発行であると思われますが、印紙税の観点からすると発行しないか、発行するとしても文書の内容を変更し、課税文書に当らないようにするか、もしくはFAXやメールを活用しましょう。
kao。