10月13日に日本医療機能評価機構の医療事故情報収集等事業「第22回報告書」が公表されました。この報告書によると報告義務対象医療機関272施設の1月~6月の医療事故の報告数は、1,005件でした。昨年同期と比較すると59件増加しています。
また任意参加の医療機関554施設の1月~6月の医療事故の報告数は、231件でした。任意参加の医療機関については、参加施設の増加により既に昨年一年間の169件を62件上回っています。
事故の概要では、「療養上の世話」が45.2%と一番多く、続いて「治療・処置」が22.5%となっています。
参加登録申請医療機関の登録状況
登録状況 |
参加する |
参加しない |
合 計 |
|
|
発生件数と事例情報 |
発生件数のみ |
||||
報告義務有 |
122 |
79 |
71 |
272 |
|
任意参加 |
257 |
159 |
138 |
554 |
|
参加しない |
161 |
209 |
------ |
370 |
事故の概要
事故の概要 |
2010年1月~6月(累計) |
|
件数 |
% |
|
薬剤 |
55 |
5.5 |
輸血 |
7 |
0.7 |
治療・処置 |
226 |
22.5 |
医療機器等 |
27 |
2.7 |
ドレーン・チューブ |
68 |
6.8 |
検査 |
43 |
4.3 |
療養上の世話 |
454 |
45.2 |
その他 |
125 |
12.4 |
財団法人日本医療機能評価機構 医療事故情報収集等事業第22回報告書抜粋
皆さんは、この件数をどう思われるでしょうか。私は、まだまだ少ないと思います。対象医療機関をもっと増やすことで、このような報告が特別な案件のみの報告ではなく、日々のヒヤリハットに警鐘を鳴らすものになることを期待しています。
事故を防止するためには、事故の発生原因を分析し防止対策を考えることが欠かせません。しかし事故に至った事例だけを検証するだけではなく、ヒヤリハット報告事例を多数集めることは事故防止対策を考える上で有用であると思います。
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