改正後の小規模宅地等の計算の特例

平成25年税制改正　相続税◆小規模宅地等の計算の特例について

今回は、改正の行われる小規模宅地等の計算の特例について解説致します。
（平成27年1月1日以後の相続又は遺贈について適用します。）

○特定居住用宅地等に係る特例の適用対象面積を現行の「２４０平米」から
「３３０平米」に拡充する。（居住用評価減80％）
　
＜事例1＞路線価60万円／平米で400平米の自宅評価の場合
　　60万円×400平米＝2億4,000万円
　　60万円×80％×330平米＝1億5,840万円
　　2億4,000万円－1億5,840万円＝8,160万円（自宅の評価額）

○特例の対象として宅地等の全てが特定事業用等宅地等及び特定居住用宅地
等である場合には、それぞれの適用対象面積まで適用可能とする。なお、
貸付事業用宅地等の場合には、現行どおり調整を行うこととする。
（居住用評価減80％、賃貸用評価減50％）
　
＜事例2＞自宅の他に賃貸アパートを所有する場合
（自宅路線価60万円／平米で200平米、賃貸事業用宅地路線価50万円
　／平米で300平米）
１、60万円×200平米＝1億2,000万円
　60万円×80％×200平米＝9,600万円
　1億2,000万円－9,600万円＝2,400万円（自宅の評価額）
２、50万円×300平米＝1億5,000万円
　50万円×50％×78平米（調整後の適用限度額）＝1,950万円
　1億5,000万円－1,950万円＝1億3,050万円（賃貸事業用宅地の評価額）
３、　１、+２、＝1億5,450万円

○特定事業用宅地等・特定同族会社事業用宅地等も併用適用可能になります。

被相続人等が個人又は法人で事業（不動産貸付事業を除く）をしている土地
がある場合には、一定の要件を満たすと特定事業用宅地等又は特定同族会社
事業用宅地等（いずれも400平米まで80％減額）の適用を受けることができ
ます。現行では特定居住用宅地等と有利な方から選択し、適用し切れなかっ
た部分について、もう一方の特例で適用を受けます。ちょうど、前述の特定
居住用宅地等と貸付事業用宅地等のような調整をしています。改正後はそれ
ぞれ限度面積まで適用を受けられ、最大730平米（330平米＋400平米）まで
小規模宅地等の特例の適用が受けられます。


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