旦那様を亡くされたW様がご自宅をどのように相続するかの悩みを抱えて、相談にいらっ
しゃいました。
W様)秋子先生、夫が亡くなって他の賃貸物件や金融資産など分割はようやく決まったの
ですが、自宅をどう相続するかで迷っています。うちの亡くなった夫は、生前から
相続対策として自宅の共有分の贈与を行っていたようです。
秋子)W様、そのご自宅の土地、家屋の所有状況はどうなっていますか?
W様)土地は、夫8/10、私1/10、長男1/10の共有となっています。家屋は、夫7/10、
長男3/10の共有です。
秋子)そうですか、ありがとうございます。W様の今回の相続では、小規模宅地等の評価
減の特例を上手に活用し、二次相続も視野に入れて考えていきましょう。
先ず賃貸物件の敷地となっている宅地に小規模宅地等の評価減を適用するよりも、
ご自宅部分の宅地について「特定居住用宅地等」として80%の評価減を適用した方
が有利のようです。
この「特定居住用宅地等」については改正があるのはご存知ですか?
W様)いえ、相続税については基礎控除額が縮小されて増税になるという話は聞いたこと
がありますが、「特定居住用宅地等」については聞いたことありません。相続税が
安くなるのですか?
秋子)はい、そうです。この改正では減税になります。「特定居住用宅地等」については、
限度面積の240㎡部分までについて80%評価減が適用されます。
これが、平成27年1月1日以後の相続については「330㎡」部分までに拡大されるので
す。
W様)秋子先生、なるべく税金が安くて済む方法を教えて下さい。
秋子)W様のご自宅の宅地は地積が500㎡ですね。今回の相続では、このうち旦那様の持分
である400㎡(500㎡×8/10)が評価減の対象になります。小規模宅地等の評価減に
ついては、算出相続税額が高くなる人が適用を受けた方が有利になります。つまり
W様の場合ですと、配偶者の税額軽減の適用がある奥様よりも、ご長男様が適用を受
けた方が全体の納税額は低くなります。
そこで今回はご長男様がご自宅の土地を120㎡、奥様が280㎡を相続するようにしまし
ょう。ご長男様と奥様とが120㎡ずつ小規模宅地等の評価減の適用を受けましょう。
W様)えっ、長男が240㎡分を評価減した方が有利ではないのですか?
秋子)今回の一次相続だけを考えるとそうなります。しかし奥様の相続対策を考えた時には、
二次相続でご長男様が奥様から持分(もともとの持分500㎡×1/10=50㎡。一次相続で
相続した面積280㎡の合計330㎡)を相続した宅地ついて、限度面積いっぱいの330㎡に
ついて80%評価減の適用を受けることができます。
W様)なるほど!二次相続については、そのようにして考えればいいのですね。
秋子)そうですね。ただ、この自宅の宅地だけについて考えるのではなく、奥様の所有財産
の全体像を把握したうえで考えることが重要です。
あともうひとつ。現状では、奥様は土地のみを所有しており、その敷地の上の家屋につ
いては所有していません。この場合家屋を親族以外の者が所有するときは、小規模宅地
等の評価減は適用されません。今回は、生計を一にする親族であるご長男が家屋を所有
していますので適用は受けることができますが、その時に家賃の収受があると80%の評
価減を受けることができませんので、注意が必要です。
W様)いろいろと注意点があるのですね。長男とよく話し合い、そのように分割して今回の相
続に決着をつけたいと思います。
ありがとうございました。
その後、無事に分割協議を終えたW様は、秋子に相続税の申告を依頼し期限内に納税まで完了
しました。
相続が急に発生した場合には、分割対策、納税対策、節税対策など打てる手が限定されてしま
います。税制改正が適用となる平成27年1月1日の前に、準備を進めておきましょう。
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