親子間で高収益の賃貸用不動産を贈与するのは、親子間で所得分散を行うことが出来、来るべき相続税の対策としても有効な手段になります。
1. 通常、不動産の贈与を行う場合の贈与税の課税価格の計算は、土地は路線価又は固定資産税評価額等を用いて計算します。建物は固定資産税評価額を用いて計算します。賃貸用不動産の場合は、特に相続税(贈与税)の計算上一定の減額が可能になるため、親から子供に現金を贈与するより賃貸用不動産等を贈与するほうが有利になります。
2. 高収益の賃貸用不動産等を、早期に贈与することで賃料収入を親から子へ移すことができます。高収益物件を贈与することは、親から子への所得分散に加え、親の相続財産の増加抑制、相続時の相続税の納税資金に充当することも可能になります。
3. 値上がりが見込まれる都心部の不動産等は相続税評価額が低いうちに贈与することが相続対策として有効になります。
ただし、贈与税・相続税の計算上誤った認識により贈与を行った場合、思わぬ落とし穴がありますので注意が必要です。
注1. 相続時精算課税制度を活用した場合、一度相続時精算課税制度を選択したらその後は暦年課税を選択することは出来ません。
注2. 贈与者が賃借人より敷金等を預っている場合には、負担付贈与として課税されるおそれがあります(負担付贈与の贈与税の課税価格は、相続税法上の価額によらず通常の取引価格(時価)をもとに計算されるため、贈与税の課税価格の計算上、路線価等による計算が行われません)。そのため、敷金等も一緒に現金贈与等することにより、負担付贈与として認定されないようにします。
注3. 贈与する賃貸用不動産の購入時等における借入金がある場合には、負担付贈与を避けるため借入金の承継をしないことも考えられます。しかし、借入金を承継しない場合には、不動産収入等に関係する費用でなくなるため、不動産所得の計算上、贈与を受けた子の経費にはならず、親の他の不動産所得等の経費にも該当しなくなりますので注意が必要です。
問い合わせ先 0120-944-733
事業財産承継部:澤村
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