先週の土曜日に事務所の大掃除があり、机の周りから書庫の整理まで行い、
今日は気分よく仕事ができます。大きなドッジファイルの整理をしていたら、
ころっと何かが落ちて、何かなと思って見たら数ヶ月前になくしたお気に入りの
指輪でした。こんなところから出てくるとは嬉しい誤算。たまに大掃除をすると
いいことがあるかもしれませんよ。
さて、前回に引き続き「配当優先株式」について書きます。
配当優先株式は、配当を受ける順位に優先権がある株式といえます。したが
って、株主にとっては、他の普通株主より優先的に配当金を受け取ることができ
るので、投資対象としては魅力的といえます。会社側とすれば、配当優先株式
は会社の業績が芳しくない場合でも、資金調達を行うための魅力的なツールと
なります。前回、配当優先株式にはいくつかの種類があることをお伝えしました
が、これらの株式の特質をうまく生かして、会社の状況や目標とするところに
合った株式の発行をオススメします。
どのような配当優先株式を発行するのかを考える場合、以下のような4つの
組み合わせ方法が考えられます。
<配当優先株式の組み合わせ方法と効果>
参加的配当優先株式は、優先配当を受けた後も、引き続き普通株主と一緒に
一般配当を受けることができます。非参加的配当優先株式は、優先配当しか受け
ることが出来ないため、受け取る配当金に上限が設けられてしまうということから、
参加的に比べると投資対象としての魅力は当然低くなります。よって、会社側が
単純に資金調達力を高めたい場合には、参加的配当優先株式にしたほうがよい
ということになります。
また、累積的配当優先株式は、優先順位に基づく配当を受け取ることが出来な
かった場合に、翌期の配当でその分を受け取ることができることを保証されている
株式をいい、その保証のないものを非累積的配当優先株式といいます。企業を取
り巻く環境によっては、分配可能額はあるが、今期は設備投資などに向けて内部
留保を充実させたいという場合もあります。しかし、それは配当優先株式を持って
いる株主にとっては、その株式の魅力を半減させてしまいます。累積的配当優先
株式は、内部留保を充実させる期があったとしても、株式の魅力、すなわち資金
調達力を維持するために有効な株式になります。
これらの株式の特質から、効果を考えてみると、資金調達力が最も高く、内部
留保の充実も可能である株式は、参加的・累積的配当優先株式であるといえます。
ただし、配当優先株式を発行することは、リスクも伴います。会社の業績が悪化
した場合には、その存在自体が会社にとって負担となってしまいます。リスクも十分
理解した上で、例えば他の種類株式と組み合わせて発行するなど、活用方法を
十分検討し実行しましょう。
お気軽にご相談ください 藤間公認会計士税理士事務所 樋渡順 0120-944-733
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