先日いただいた税理士法人ジェイエスケー様のニュースレターに
このようなことが書かれていました。
代表取締役の上能さんの言葉です。
最近、経営者の皆さんから一番多い質問は
「いつ景気はよくなるのですか?」
というものです。
それに対して私はいつも
「今のような景気が続くと思って経営してください」
と行っています。
"景気が回復すれば会社の業績がよくなる・・・"
それではあなたが社長でなくてもよいのです。
これを読んだとき、
私は「我が意を得たり」と手を打ちました。
まさにその通りなのです。
景気がよいと業績が伸び、
景気が悪いと業績が下がるというのであれば、
経営者はどんな仕事をしているのだと言うことになります。
景気がよいときにはそれをうまく活用し、
悪いときにはその悪さに対応して
経営をするのが経営者の仕事です。
では、景気の悪いときには
どういう経営をする必要があるか。
環境の変化にすぐ対応できるような
柔軟性を持った経営が必要になります。
財務的には固定資産を極力減らし、
キャッシュ重視の経営にすることが重要になります。
また、他社のベンチマーク等から、
「これはいいな」と思ったことを素直にまねるのも必要です。
せっかくよい事例を見せてもらっても、
すぐに自社に取り入れようという思考をはたらかさなければ、
自分と先方の時間を無駄遣いしたことにしかなりません。
「あの会社はできるけど、うちは状況が違うからできない」
というのでは自社の資源がもったいないですし、
経営者の能力も高まりません。
短期間で自社の資源が劇的に増えたり、
経営者や社員の能力が劇的に向上するということはありません。
今ある資源や能力の使い方を変える工夫が必要です。
転用できる技術はないか?
お客様の要望に応える付加サービスはないか?
自社の商品やサービスが生きるような提携先はないか?
空いている機械でほかに製造できるものはないか?
利益につながらない固定資産は売却できないか?
などなど、精一杯の知恵を出して厳しい環境の中で、
売り上げが下がっても十分な利益を発揮する力を磨くのです。
この力を私は「縮む力」と呼んでいます。
それに対して、景気の良い時に利益を増やす力を
「伸びる力」と呼んでいます。
これは昭和の経営者が持っていた力です。
これはこれで重要ですが、
今はこれだけでは足りない時代になっています。
どんなに悪い環境になっても、
視点を変え、やり方を変え、
何が何でも利益を生み出すようにしなければなりません。
景気の回復を望むより、
今の景気、あるいはもっと悪い状況の中で
生きていける方法を考える癖をつける必要があります。
景気がよくなるにはまだまだ時間がかかりそうです。
しかし、こういうときほど
経営者の能力が磨かれるときなのです。
せっかくのチャンス、しっかり活かしましょう。
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