介護事業のススメ

先日、5月14日に発表された参議院選挙のマニフェストの原案が掲載された記事を見ました。医療分野では、調剤報酬を含む診療報酬と介護報酬を大幅に引き上げる内容が盛り込まれています。医療機関にとってはうれしい内容ですが、財源はどうするのでしょうか？

かつて病医院経営は、「設備投資や人件費は高いが、高収入である」とされていました。しかし最近では、「設備投資や人件費は高いままだが、収入が落ちてきた」と感じる病医院関係者は多いのではないでしょうか。

収入を確保するためにも、これからは、介護分野への参入を検討されてはいかがでしょうか。2012年の医療保険と介護保険の同時改定は、日本の少子高齢化に対応するため介護政策を補強するようなものになることが予想されます。これからの病医院には、「医療と介護」の考え方が必要になることでしょう。この流れに乗り遅れないよう一度検討されることをお薦め致します。

 

≪自民党参議院選挙公約「マニフェスト」原案より抜粋≫

「頑張る人が報われる社会へ」

持続可能な安心できる医療を実現します

・　診療報酬（調剤報酬含む）の大幅な引き上げにより、わが国の医療供給体制の再生を図り国民が安心して質の高い医療が受けられるよう、安定した医療制度を整備します。

・   高齢者の方々の生活実態や思いに合わせた医療保険制度とするため、高齢者医療制度の対象年齢を65歳以上とし、同時に、それまで被用者保険に引き続き加入できるように見直します。また、公費負担に関しても65歳以上全体を対象とすることとし、その増額を図ることにより、高齢者医療制度の財政を円滑化し、国保、協会けんぽ、組合健保、共済健保などの保険料率の上昇を抑え、国民皆保険制度を守ります。

 

財政の安定化を図り、介護保険サービスの充実と保険料の抑制を図ります

・   質の高い介護体制を確立するため、次期改定において、介護報酬の大幅引き上げを行います。

・   持続可能な介護保険制度を堅持するため、公費負担の増加を図り、高齢者の進展により増大が想定される介護保険料の上昇を抑制します。

・   42万人と言われる特別養護老人ホーム待機者をはじめ個々の要介護者に実態に即した介護サービスを希望する全員の声に応えるため、介護型療養施設のあり方、介護保険の地方負担、参酌基準などを見直すとともに、特養ホーム等20万床の整備や必要な施設等の整備を促進します。

・   要支援・要介護者を含めた高齢者に対する在宅歯科診療を充実します。

・   介護予防事業の重要性に鑑み、要介護となることを予防するため、検診事業をはじめ、医療における運動器リハビリテーションの充実等を図ります。