先日、顧問先の女性社長が相談に来られました。
女性社長) 先月遠方に住んでいた母が亡くなり、私と妹達3人で遺産分割をすることになりました。
現預金等は法定相続分で相続するということですぐに話がつきました。
しかし、母が住んでいた40年前に建てた建物とその建物の借地権(月8万円を地代として払っています)
については、どのように相続するかまだ話がまとまっておりません。
そこで建物と借地権をどのように扱えばいいかアドバイスをいただきたくご相談に参りました。
秋 子) 借地人に相続が発生した際に、借地の処理が面倒だからと、とりあえず複数の法定相続人で
共有で相続すると、後々大きなトラブルの原因となることがあります。
借地権の権利を継続するには地代を払い続け、更新時期がくれば更新料を支払わなくてはならず、
しかも建物の固定資産税も毎年払わなくてはなりません。
また、旧借地法時代の40年前に建てられた建物ということなので
その建物が朽廃してしまうと、借地権そのものが消滅してしまいます。
それに社長達の世代で相続が発生し、さらに権利関係が複雑になることも考えられます。
特にその建物をどうしてもほしいという相続人の方がいらっしゃらないのであれば、
地主の方に借地権を買い取ってもらってはいかがでしょうか。
女性社長) はい。借地権の売却については、地主の方と少し話しはしてみたのですが、
買取価額についてはあまり納得のいく金額ではありませんでした。
秋 子) 今後の方針としては次の4つが考えられます。
①借地権の上に建つ建物をリフォームして賃貸し、最低でも地代分の収益が得られるようにする。
②賃料減額請求をして、地主とじっくり交渉する。
③地主の提案した借地権の買取金額に応じる。
④ほかの買い手を探してみる。
女性社長)ありがとうございます。今お話いただいた案で妹達とよく話しあってみます。
その後、地元の不動産会社に募集をしてもらったところ建物を購入したいという方があらわれ、
売却についての地主の承諾も得られて円満に建物の売却をすることができたようです。
借地権の相続は権利関係が複雑となり、将来トラブルの原因となる可能性もあるので、
相続の際は、専門家に相談することをお勧めします。
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