平成24年度は3年に一度の固定資産税の評価が見直される基準年度にあたります。固定資産税の納税通知書は5月から6月にかけて発送する自治体が多いので、そろそろ新しい評価額に基いた納税通知書が皆様のお手元に届いている頃かと思います。
また、平成24年3月22日には、国土交通省から公示地価が公表されています。地価公示は地価公示法に基いて国土交通省土地鑑定委員会が毎年1月1日の都市計画区域等における標準値を選定して「正常な価格」を判定し公示するものです。では、この「正常な価格」で実際の土地取引が行われ、相続税や固定資産税の税額の算定にこの金額がそのまま使われているのかというとそうではありません。
土地の価格は一物一価ならぬ一物四価と言われ同じ不動産でも、それぞれ所轄する役所や利用する目的の違いから4つの価格が存在します。例えば、弊社のある千代田区丸の内1-8-3の住所がある一つの土地に4つの価格があるということです。
今回は土地の売買や各種税金の計算に大きく影響する4つの価格を整理してみたいと思います。
①公示地価
毎年3月下旬に国土交通省から発表されるその年1月1日時点での地価です。地価公示の目的は一般の土地取引価格に対して指標を与え、公共事業用地の取引価格の算定等の基準とされ適正な地価の形成に寄与することとされています。平成24年の調査では26,000地点が選ばれ、国土交通省の土地鑑定委員会により評価が行われています。
②基準地価
都道府県の調査により、例年9月20日ぐらいに発表される7月1日時点での地価です。国土利用計画法に基き都道府県や政令指定都市が調査主体となります。公示地価の調査時よりもちょうど半年遅いので半年ごとの地価の動きを見ることができます。公示地価の調査地点である「標準地」と基準地価の調査地点である「基準地」は重複しているところもあります。
③路線価
道路に面した1平方メートルあたりの土地の評価額のことです。路線価には相続税路線価と固定資産税路線価の2種類がありますが一般的には路線価といえば相続税路線価のことをいいます。相続税路線価は国税庁より毎年7月1日に発表され、その調査地点は約41万点です。相続税、贈与税の算定基礎となる土地評価額で公示地価の8割程度が目安とされています。公示地価と基準地価はその土地そのものの価格なのに対し、路線価は道路に価格が決められている点に特徴があります。
固定資産税路線価は市町村が調査主体で公示地価の7割程度が目安とされています。
④固定資産税評価額
地方税である固定資産税や都市計画税、登録免許税などの算定の基礎となるもので市町村が決定します。この評価は3年ごとに行われ、平成24年はちょうどその評価替えの年にあたります。他の指標と違い、原則として本人、借地人、借家人のみが知ることができます。
以上4つの価格を説明いたしました。おなじような土地というのはあってもまったく同じ土地というのは存在しません。土地の価値は現在のその土地の特性のみならず、まわりの環境や権利関係、過去その土地がどういう使われ方をしていたかで、個別具体的に形成されるものです。個別の不動産価格を判定するときにはその土地の個性をよく調べることがもっとも大切で、上記4つの価格はそれぞれの特徴、目的をよく理解したうえでその土地の価値を判定するための指針とすることが重要だと思います。
お問い合わせ先:0120‐944‐733
事業財産承継部 植田
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