信託法が平成18年12月に抜本改正が行われ、平成19年9月30日
に施行されました。
新しくできることになった事業信託(限定責任信託)とは、
受益者が信託に関して負担する債務について、その信託財産のみ
をもってその履行を負う信託です。
この事業信託(限定責任信託)を活用することによって、事業
や財産の運用を他人に信託することなどが出来るようになりまし
た。
事業信託(限定責任信託)・・・事業を信託する
事業信託とは、企業の事業そのものを信託財産とする信託です。
旧信託法では、信託事務から負債が生じその金額が信託財産の額
を越えてしまった場合、委託者と債権者と個別に責任財産限定特
約を結ばない限り受託者の固有財産(もともと自分がもっていた
財産)から支払う必要がありました。
つまり、受託者は信託に関して負担する義務について無限責任
を負うことが原則でしたが、新信託法では受託者の有限責任が認
められました。
通常、事業を行っている場合に、債権(売掛金など)と債務
(買掛金など)の両方を保有します。
そのため、旧信託法では事業を信託財産とする信託の設定が難し
いとされていましたが、新信託法では可能となりました。
効果
後継者の経営能力が未熟な場合に、地域的に競合しない同業者
など経営能力があるものを委託者としてA事業部の経営を任せ、
信託終了後に受益者である後継者に事業を引き継がせることによ
り、後継者が経営能力をつける時間稼ぎをすることができます。
また、後継者に経営能力がない場合、事業をオーナー一族から
手放さずにその事業を経営能力があるものに任せることができま
す。
ただし、税務上信託時点で、受益者に贈与税が課税されるなど
のデメリットもあります。
ご質問はお気軽にどうぞ
事業財産承継部 金森 0120-944-733
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