以前のブログでご紹介しました「取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予
制度」の創設について、その後の動きをお伝えします。
2月5日に「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案」が国会に提出
されました。今後、国会で審議が行われ、10月1日には法律が施行される見通しで
す。
おさらいをすると、この新しい事業承継制度は、深刻な後継者不足問題を抱える
中小企業が事業承継を円滑に進めることを支援するもので、政策3本柱である「民法
の特例」「金融支援」とともに行われる税制措置です。経済産業大臣の認定を受けた
非上場中小企業の株式については、相続税の80%の納税が猶予されることになりま
す。但し、この制度の対象となる中小企業は、中小企業基本法の中小企業に限定さ
れ、さらに雇用確保をはじめとする5年間の事業継続が要件となります。
この円滑化に関する法律に盛り込まれる「民法の特例」は、事業の継続に不可欠な
自社株を遺留分算定の基礎財産から除外できるというものです。先代の経営者の生前
において、遺留分権利を持つ者全員の合意に基づき後継者に贈与された自社株が対象
となります。これは、事業を継続するために不可欠である自社株等にかかる遺留分の
減殺請求が行われるのを未然に防ぐことを目的としています。
また、遺留分の計算に際しては、遺留分権利を持つ者全員の合意に基づいて、生前
贈与する株式の価額を合意したときの評価額であらかじめ固定できる制度も導入され
ます。これは、後継者の努力によって株式の価値が高まった場合、その価値の上昇分
を保持できる制度です。この制度を創設することによって、後継者の方の経営意欲の
阻害要因を排除することができます。
今後、法律施行までの動きは要チェックです。随時、情報の更新を行ってまいり
ます。ご不明点等はお気軽にご連絡ください。
☆藤間公認会計士税理士事務所☆
事業財産承継部 樋渡順 0120-944-733
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