「上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除制度」は,
① 譲渡損失の生じた年分の所得税について「譲渡損失の金額の計算に関する明細書」等一定の書類の添付がある確定申告書を提出すること
② その後において連続して確定申告書を提出していること
③ 繰越控除を受けようとする年分の確定申告書に「繰越控除を受ける金額の計算に関する明細書等」の一定の書類の添付があること
以上の要件を満たす必要があります。
ここでいう「確定申告」には,「期限後申告」が含まれるとされていることから,①の当初の確定申告を失念したケースのほか,②の連続して行う確定申告を失念した場合であっても,期限後申告を行うことで制度の適用を受けることができます。
しかし,他に事業所得や不動産所得等の所得があるなど,期限内に確定申告を行っていた場合には,期限後申告を行うことはできません。つまり期限後申告をすることで繰越控除の適用ができるのは,確定申告の必要のない給与所得者や他に所得のない場合など限られます。ただし,他に所得があって確定申告を行ったものの,損失繰越の制度の適用に必要な明細書の添付等を失念した場合には,「更正の請求」を行うことで繰越控除が受けられる場合もあります。
「特定口座の源泉徴収選択口座」は,確定申告の必要はありませんが,繰越控除の適用を受けるためには,確定申告しなければなりません。この場合も,確定申告をしていない場合は,期限後申告を行うことで繰越控除ができますが,確定申告はしていて,繰越に必要な明細書の添付等を失念した場合については,一般口座の場合と異なり,源泉徴収選択口座の譲渡損失について,「申告不要制度を選択した」ことになり「更正の請求」を行うことはできないので注意が必要です。 問い合わせ先 資産税部:大町 まで
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