昨年11月末に
1.復興財源確保法など復興関連法
そして
2.平成23年関連法案(経済社会の構造の変化に対応した税制の法律)が可決、成立されました。
これに遅れて昨年12月に
3.平成24年度税制改革大綱
が発表され、
例年と異なり税制改正の様子がわかりにくい年だったと思います。
上記の
1.復興財源確保法
2.平成23年関連法案(経済社会の構造の変化に対応した税制の法律)
はすでに公布・施行されている決定事項、
3.は現段階では「案」となっています。
今回は、これらのうち決定事項である1・2について、
クリニックにとってポイントとなる部分をとりあげていきます。
<税率等について>
【個人】
個人所得税に関しては、復興財源確保のため、
「平成25年から平成49年までの25年間、基準所得税額に2.1%の税率を乗じて計算した金額とする」
こととなりました。
つまり、
個人クリニックで確定申告を行っている方・・・支払う税額が通常の2.1%増しになる
医療法人等から給与を受けている方・・・毎月の源泉所得税額が増加し、手取り額が減る
こととなります。
また、
「個人住民税(均等割)の税率を平成26年度から平成35年までの10年間、
年額1,000円(道府県民税500円、市町村民税500円)引き上げるものとする」
ことも同時に決定されました。
【医療法人】
医療法人に関しては、
1.復興特別法人税の課税と
2.平成23年関連法案により、
期間ごとに下記のような税率となることとなりました。
<平成24年4月1日~平成27年3月31日までの間に開始する各事業年度>
中小法人以外・・・28.05%
中小法人 所得金額のうち年800万円以下の部分・・・16.5%
中小法人 所得金額のうち年800万円超の部分・・・28.05%
<平成27年4月1日~開始する各事業年度>
中小法人以外・・・25.5%
中小法人 所得金額のうち年800万円以下の部分・・・15.0%
中小法人 所得金額のうち年800万円超の部分・・・25.5%
諸外国と比較し法人税率が高いことから、
引き下げになることが決定しましたが、
復興財源確保のため、3年間は少ない下げ幅となります。
<減価償却制度の改定>
減価償却費限度額の計算における定率法の償却率を、
定額法の償却率の2倍とする。
適用期限は、平成24年4月1日以後に取得をした償却資産から適用する。
現在、減価償却資産の定率法の償却率は、
「250%定額法」と呼ばれているように、
定額法の償却率の2.5倍の償却率となっています。
例えば、現在ですと耐用年数5年の場合、
定額法ですと0.200、定率法では0.500という償却率になります。
これが上記の改正により、定率法では0.400という償却率になります。
これにより、今までは定率法を用いて計算をする資産を購入した場合には、
使用開始から早い期間で減価償却費を計上でき、
節税にもつながりましたが、
平成24年4月1日以後に取得をした償却資産から、
計上できる金額が減ってしまう増税の改正となりました。
また、3.平成24年度税制改革大綱においては、
給与所得控除の上限設定・退職所得課税の見直し・住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税措置などが主な事項となっており、
全体的に小粒の改正だったという印象を受けます。
ご不明な点等がございましたら、
TOMAグループまでお気軽にご相談下さい。
TOMA医療特化部門はこちら → http://www.toma.co.jp/services/hospital/
最近のコメント