厚生労働省は、後発医薬品の使用促進策として、現在は年2回(7月・11月)に行われている薬価収載を、新薬と同じ年4回に増やすことを検討しています。後発医薬品の普及の観点から、4回への増加を求める声があるのも事実です。
しかし現在は、年間品目数で約400品目、成分数で約20成分しか後発医薬品として薬価収載されておらず、医薬品市場での後発医薬品のシェア(数量ベース)は、約16%どまりです。
日本で後発医薬品が広まらない原因として、医療関係者の品質保証・安定供給・情報提供の面での不安が挙げられています。また、医師が種類の多い後発医薬品の名称を覚えるのは困難で、慣れている先発医薬品を処方してしまう事なども多いようです。
これらの対策として、厚生労働省は、平成18年3月に後発医薬品企業に対して、後発医薬品の安定供給の確保・情報提供の充実などを徹底するなど医療関係者から信頼を得られるよう指導を行いました。
また、平成18年4月から処方箋の様式が変更されました。新しい処方箋では、医師が、先発医薬品の商品名を記入しても同一有効成分を有する後発医薬品への変更をしても良いと判断した場合、その旨を示す後発医薬品への変更可の欄が設けられました。この結果、患者は、処方箋の後発医薬品への変更可の欄に医師の署名又は押印があれば、先発医薬品と後発医薬品のどちらでも選択できることになりました。
現在では、「後発医薬品の調剤が不可の場合にのみ、医師がその旨を処方箋に記載してはどうか?」という議論もなされています。
厚生労働省は、これらの取り組みを行い後発医薬品の普及に努めているわけですが・・・
後発医薬品開発は、様々な研究・テストを経て、販売承認を申請し、承認後、薬価収載まで約5年半かかります。このため薬価収載の頻度を増やしても後発医薬品の普及には大きな影響は無いという意見もあります。
後発医薬品の普及には、もう少し時間がかかりそうです。
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