松下幸之助は、物事がうまくいったときは「これは運がよかったのだ」と考え、失敗したときは「その原因は自分にある」と考えるようにしていたそうだ。
つまり成功は運のお陰だが、失敗は自分のせいだということである。
実際、成功といっても、その過程には小さな失敗がいくつもあるものだ。
一歩誤れば、大きな失敗につながりかねなかったかもしれない。
けれども驕りや油断があると、そういうものが見えなくなってしまう。
反対にうまくいかなかったときに、それを運が悪かったとか、社会や時代背景が悪かったと他人に責任を転嫁すれば、その失敗の経験が生きてこない。
悪くすれば、たんに他人を恨み、ますます失敗の坂道を落ちかねない。
松下幸之助の会社がそうだった。
不況・不景気のときにいっそう成長した。
だからこそ一代でワールド・エンタープライズをつくることができた。
業績の良否の原因を不況という「外」に求めるか、みずからの経営のやり方という「内」に求めるか、その考え方の違いによって、行動が変わり、結果が大きく変わってくるのである。
成功への道は、いわば無限にある。
それが松下幸之助の考え方だった。
逆風であろうと不遇であろうと、「必ず道はある」という考えに立って、それを求めていけば、そこに新たな成功への道はひらけるものだ。
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