戦後、世間一般の風潮として、社長の言うことだからといって、それがスッと聞かれるというわけには
いかなくなった。だから形の上では命令することがあっても、実質はお願いするという気持ちを心の内に
持たなくては、社長の職責がつとまらなくなったわけである。
そういう心持になったなら、社員の人が仕事をしてくれれば「いや、どうもありがとう、ほんとうに
ごくろうさま、まあお茶でも一杯」ということにもなる。そういうことから、以前私は、社長は“お茶
くみ業”だと考え、人にも話したことがある。もちろん実際にお茶くみをするわけではないが、そういう
心持になることが大切ではないかということである。
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