「力」とは、計量評価することが、容易にみえて実際には難しい。わが空手については、一挙必殺の格闘技では、心理の機微こそ決め手となる。瓦や板の試し割りは客観的な「力」判定の参考資料となる。より多く、正確に瓦を見事に割るものは、少なく割るものより「力」があるといってよい。しかし空手における「力」とは、要は極限の格闘の場で、倒すか倒される結果の勝負の結果がすべてである。そこに空手の心技体の他のスポーツとは比較にならない意義がある。いずれにしても空手では、「力」は修行錬成によく耐えてついにつかんだ「自信」が究極の決め手なのだ。
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