・新聞の読者欄にこんな投書が載っていた、とある人から聞いたことがある。
「自分の両親は朝から晩まで一所懸命に働いたが、暮らしは貧窮のどん底だった。
自分は子どものころ、両親がこんなに働いても貧しいのは、きっと世の中、つまり社会の仕組みが悪いからだ、
と思っていた。
やがて、自分は親元を離れ、結婚して家庭を持ち、子どもも生まれた。
自分は毎年、両親への御歳暮と御中元を欠かさなかった。
しかし、口頭でも手紙でも、両親から一度もお礼の返事をもらったことはない。
いま自分は思う。
両親があんなに働いても貧乏から逃れられなかったのは、決して世の中が悪いのではなく、
両親が人間的に未成熟だったからだと」
この投書が語るものは大きい。
おそらくここには、人生を幸福に生きるための最も原初的な秘訣が語られている。
「小さな人生論 “致知”の言葉・致知出版社より藤尾秀昭著)」
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