管理の手段、評価の技法

意思決定、コミュニケーションと並んで「管理手段（controls）」を適切に用いることが重要です。ドラッカーの言うところの管理手段とは、過去の事実を測定し、未来を管理する技能にはがなりません。

管理手段の3つの特性

　マネジメントする人には、意思決定、コミュニケーションと並び、管理手段の活用も不可欠です。管理手段とは、過去の事実を測定し、それをもとに未来を管理する技能のことです。

　いわば、計画に基づいて実行した行動が、期待値をどの程度満足させたかを測定すると共に、その結果を再び行動にフィードバックする仕組み、これが管理手段といえるでしょう。

管理手段の7つの要件

　管理手段に不可欠な要件として、「効率性」「適切な意味」「対象の適切性」「精度の適切性」「時間間隔の適切性」「単純性」「行動への焦点」という7点を挙げられます。

　こうした管理手段は、成果を基準にして設計します。そして、その基準に従って、従業員の賞罰に適切に反映されるようにします。

というのも、そもそも従業員は、賞罰から「組織の目的、価値観、そして自らの位置付けと役割」を理解するからです。

　とはいえ、管理手段は人の作るものです。ですから、純粋に中立的な管理手段などあり得ないことを、あらかじめ念頭に置いておくべきです。しかし、それでも、できる限り中立的、客観的な管理手段の確立に努めなければなりません。

マネジャーとして不可欠な態度

マネジメントする人のあるべき態度として、①人の強みを見る、②何が正しいかを考える、③真筆さ、④部下に脅威を感じるようではいけない、⑤自らの仕事に高い基準を設ける、などが挙げられます。