前回、前々回では、企業の適性規模や多角化について見てきました。一方、企業の成長を適切に管理するのもトップ・マネジメントの仕事です。成長にも戦略が不可欠になります。
成長は自動的には起こらない
成長は自動的には起こりません。組織が成長するには、「自分がそうなりたいと思っていること」に焦点を合わせ、それに対して「理想的な行動様式を確立すること」が必要になります。 つまり、成長するには戦略が不可欠なのです。トップ・マネジメントは「合理的な成長目標」を設定すると共に、そのための社内準備が必要になるのです。
成長が目的ではない
しかしながら、企業の目的は成長ではありません。マネジメントを考えたときの企業の目的は顧客の創造です。そして、提供した製品が顧客ニーズに合致した結果として利益が得られます。したがって、企業の成長は結果として捉えることが重要です。 ドラッカーは次のような言葉を残しています。「成長は、それが健全なものであるがためには、適切なことを遂行した結果でなければならない。成長それ自体は虚栄でしかないのである。」 ドラッカーのこの言葉には、2006年に失墜した、とあるIT企業の姿が浮かんできます。
トップ自身が成長の阻害要因になることもある
過去の成功体験を持つトップ自身が、成長の阻害要因になることがままあります。さらなる成長に成功するためには、過去の習慣を捨てることが、次の成長につながるからです。その場合、成功体験を持つトップ自身が過去のやり方を捨て、マネジメントのスタイルを変える必要があるのです。
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