大手ハウスメーカーが二世帯住宅というものを発売してからもう40年近くになります。二世帯住宅を手放したいという話も多くなってきました。二世帯住宅を売却したときの譲渡所得についてみてみましょう。
Aさん)今度、家を売ろうと思うんだけど、自宅を売った場合は税金面で優遇されるってきいたんだ。いったい、どう優遇されるの?うちは二世帯住宅だったんだけど、その優遇は自分の住んでいた部分だけみてくれるの?それとも1軒まるまるみてくれるの?
秋子)居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例のことですね。譲渡する家屋は二世帯住宅ということですが、どのような状態の家屋なのですか。
Aさん)二階建ての一軒家で、二階に両親が、一階に私と妻が住んでいたんだけど、五年前に親父が他界して、おふくろも去年亡くなってしまって、二階にはだれも住んでいないんだよ。親父が死んだときに、土地も家も全て相続したんだけどね。
秋子)一階部分と二階部分は完全に独立した家屋になっているのでしょうか。
Aさん)それぞれの階に、台所もトイレも風呂場もあって、お互いあまり干渉せずに住めるようにはなっているね。
秋子)空いている二階部分は、現在どのようにお使いですか。貸家に出しているとか。
Aさん)荷物置き場みたいになっているね。貸してはいないよ。玄関が共通だから、他人には貸しにくい家だね。
秋子)その様な状況であれば、一軒全体を自宅と考えて問題ないでしょう。
完全分離、つまり、玄関も別で、屋内で両方の家を行き来できないような状態の家の場合は、Aさんの居住の用に供していた部分だけが自宅として認められます。
完全分離は、区分登記することにより、不動産所得税、固定資産税といった税金面で軽減措置のメリットを受けることができますが、譲渡の際は、全体を自宅として認められないことがありますので注意が必要です。
今回の場合は、玄関が同一ということですので、区分登記できる条件に合致していませんので、区分登記ではないと思われます。あくまでキッチンや風呂が複数ある一戸建ての自宅であると考えられますので、建物全体を自宅として、3,000万円の特別控除の適用対象となります。
ただし、空いた部分を他人に貸している場合は、玄関が同一であっても、貸している部分は自宅とはみなされません。
自宅の取得や譲渡は、一生のうちに何度もあることではありません。特例規定も多くあり、事後の申請では適用が認められないこともありますので、事前に相談されることをお勧めします。
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