今回は非上場株式等の相続税と贈与税の納税猶予制度の要件の違いについて簡単にまとめてみたいと思います。
1.会社に係る要件
会社に係る要件は、相続税の納税猶予制度(認定承継会社)も贈与税の納税猶予税度 (認定贈与承継会社)も同一であり、差異はありません。
2.先代経営者(相続の場合は被相続人、贈与の場合は贈与者)に係る要件
① 役員基準
相続税の納税猶予・・・定めなし
贈与税の納税猶予・・・贈与の時までに当該会社の役員を退任すること
② 株式保有基準
差異なし(相続又は贈与直前において同族関係者等で総議決権数の50%超の議決 権数を保有し、かつ後継者を除いたこれらの者の中で最も多くの議決権数を保有していたこと)
3.後継者に係る要件
① 年齢基準
相続税の納税猶予・・・定めなし
贈与税の納税猶予・・・贈与時において20歳以上であること
② 役員基準
(a) 代表権保有に係る判定時点
相続税の納税猶予・・・相続開始の日から5月を経過する日において代表権を保有す ること
贈与税の納税猶予・・・当該贈与時において代表権を保有すること
(b) 役員経験期間
相続税の納税猶予・・・定めなし
贈与税の納税猶予・・・当該贈与の日まで引き続き3年以上にわたり、役員の地 位 を有していること
③ 株式保有基準
差異なし(相続又は贈与の前において同族関係者等で総議決権数の50%超の議決 権数を保有し、かつこれらの者の中で最も多くの議決権数を保有することとなること)
4.担保提供に関する要件
差異なし(納税が猶予される相続税額又は贈与税額及び利子税の額に見合う担保を税 務署に提出する必要があります。ただし、特例の適用を受ける非上場株式等のすべてを担 保として提供した場合には、納税が猶予される相続税額又は贈与税額及び利子税の額に見 合う担保の提供があったものとみなされます。)
5.適用対象株式
相続税の納税猶予・・・当該後継者(経営承継相続人等)の納付すべき相続税額のう ち、特例非上場株式等に係る課税価格の80%に対する部分の相続税が猶予されます。
贈与税の納税猶予・・・当該後継者(経営承継受贈者)の納付すべき贈与税額のうち、特例受贈非上場株式等に係る贈与税の全額が猶予されます。
ただし、この適用を受けるためには、贈与により、先代経営者である贈与者から、全部又は一定以上の非上場株式等を取得する必要があります。
問合せ先:0120-944-733
事業財産承継部 新垣
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