100年企業がやっているブレない心の磨き方 四代目伊藤次郎平兵衛
お客様を金持ちかそうでないか、たくさん買い物をするかしないかで差別しない。
演歌歌手の故三波春夫さんは、「お客様は神様です」という名言を残しました。
どのようなお客様であれ、わざわざ足を運んでくれた方はすべて神様のように大切な存在だ、という意味ではないかと思います。
また、この言葉の裏には、「お客様を差別してはいけない」という意味も含まれていると思います。
人はつい、
「お金持ちだから、大切にしなくてはいけない。金持ちでないから、適当にあしらっておけばいい」
「たくさんお金を使ってくれるから、ありがたい。たいしてお金を使ってくれないから、どうでもいい」
といったように、差別して考えてしまいがちです。
しかし、それではいけないのです。
お金持ちだろうが、たくさんお金を使ってくれる人だろうが、なかろうが、すべてのお客様を大切にしなければならないのではないでしょうか?
すべてのお客様を大切にしようとしたからこそ、三波春夫さんは国民的歌手として長く多く人に愛されたと思います。
名古屋商人である四代目伊藤次郎左衛門も、冒頭の言葉で同じことを述べています。
もし、「お金持ちでない」「たくさん買い物をしない」という理由から商人が失礼な態度を取ったらどうなるでしょう?
そのお客様は不快になるでしょう。
怒って店の評判を落とすような悪口をいいふらすかもしれません。
四代目伊藤次郎平兵衛は、現在の松坂屋百貨店の基礎を築いた伊藤家の当主だった人物です。
まじめで誠実な商売のやり方で知られ、家業の呉服の問屋から呉服の小売業へ転向させて、店を繁盛させました。
永続企業がやっている、まじめに誠実に誰に対しても差別せずに対応する。
それを続けることの大切さを感じます。
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