私には「幸運」のようなものは降ってこない、くじ引きすら当らない。
稲盛は『幼いころから今日までずっと、自分は運に恵まれない人間であると、妙な自信を持っている。」と語る。
確かに、若き日の稲盛は挫折に次ぐ挫折の日々を送っている。
中学受験に二度失敗、仕方なく行った国民学校高等部では結核を患う。
九死に一生は得たものの、大阪大学医学部の受験にも落ち、鹿児島大学工学部に入った。
だが、就職でも希望した企業にはすべて断られ、恩師の紹介でやっと入社した会社は赤字が続き、給料遅配やボーナスなしが当たり前。
一緒に入社した大卒者四人は直ぐに辞めた。稲盛も自衛隊入隊の試験を受け、合格したものの、戸籍謄本が間に合わず、ボロ会社に取り残される。
稲盛は開き直るように、セラミックの研究に没頭し、成長を挙げていく。
「ど真剣に生きる」より NHK出版
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