会社がようやく軌道に乗ろうとしていた矢先だっただけに、奈落の底に突き落とされた思いでした。そんな苦しさの中で思い出されたのが、かつて何気なく読み、覚えていたこの言葉でした。
「盛時驕らず、衰時悲しまず」。これは私の座右の銘です。人生、良いときでも決して傲慢になってはいけない。また悪い時でも悲しむ事はない。
大切なのは心の持ち方です。父は戦時中に、激戦地へ出征しており、そのときに死んでいても不思議ではなかった。天は自分に20数年の時を貸してくれたのだと思えば、感謝こそすれ、嘆くことはない。こう考えると、前向きに生きる勇気が湧いてきました。逆に順境の中でも決して驕ることのないよう自分自身を戒めてきました。
人間はともすれば盛時・順境の中で傲慢になったり、必要以上に華美に走って不祥事を起こし、晩節を汚すことにもなりがちです。一方、衰時・逆境においては、やたらと悲観し、落ち込んでしまう傾向があります。しかしどんなときでも常に平常心で過ごせば、すなわちそれが幸せなのです。
私も、今日に至るまでにさまざまな環境や状況に遭遇しました。それらを乗り越えることができたのも、「盛時驕らず、衰時悲しまず」の意味するところが心の支えになっていたからだと思います。これからも、この言葉を思い起こし、日々怠ることなく努力を続け、前進し続けたいと念じています。
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