昔々あるところに、アラビアから二羽の素晴らしい鷹(たか)を贈られた王様がいました。
二羽とも王様が今まで見たこともないくらいとっても美しい鳥でした。
王様は、この二羽の貴重な鷹を、国で一番優秀な鷹匠(たかじょう)に訓練させて狩に連れて行こうと考えました。
それから数ヶ月たったある日、
鷹匠がお城にやってきて訓練の成果を報告しました。
「王様、一羽は空高く舞い上がったり、
ウサギを見事に仕留めたり出来るようになりましたが、
残りの一羽は今だに枝にしがみついたままで、
ただの一度も空を飛んだことがございません。
このような鷹は初めてです」
そこで王様は、国中の魔法使いを呼び寄せて、
この飛ぼうとしない鷹を何とか鷹狩りに使えるようにしろと、
命令したのです。
しかしどの魔法使いが頑張っても、その鷹は相変わらず枝に止まったままでした。
次に王様は、家来に命じて
この鷹を見事飛ばせることが出来れば褒美を遣わすと言いましたが、結局誰一人として成功しませんでした。
その後、国中の知恵者を集めては、様々な手法が試されましたが、結果は同じでした。
そこで、王様は、自然のことをもっとよく知っている人間ならば、この鷹が飛ばない理由が分かるかも知れないと考えました。
王様は、早速家来を集めて、
「鳥に詳しい農夫を見つけて連れてこい!」と命じたのです。
それから何日か経ったある日の朝、
王様は宮殿の庭を空高く舞い上がっている二羽の鷹を目にしました。
「おぉ、あの鷹もついに飛べるようになったか!」
王様は、家来を呼んで
「この奇跡を起こした農夫を連れてきなさい」と命じました。
一人の農夫が王様の御前にやってくると、
王様は「どうやってあの鷹を飛ばせることが出来たのか、正直に申してみよ」と言いました。
農夫は、深々とお辞儀をすると、こう答えました。
「王様、それは簡単なことでございます。
あっしは、鷹がしがみついていた木の枝を切っただけなんです」
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思い切って枝を切ってみる!
勇気がいりますが、大切なことかもしれませんね♪
【負けたらいかんぜよっ!!!】
「思い切ってやりなさい。
責任は私がとる 」
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