“「やる!」”と決める。
何か事を成そうと思うならば、“「やる!」”とまず決めることは極めて重要なことだ。
組織において「トップとナンバー2では、器が全然違う!」と何かと両者の温度差を指摘する人が多いが、
職業柄、確かにそんな場面に遭遇することが多い。
その差の一つに決断力を挙げることができる。
ある魅力あるビジネス案件を紹介したとする。
決断の仕方に、両者の違いが如実に出てくる。
やり手のトップだったら、“「やる!」”という決断が先にあって、それからやれる条件を整えようとする。
しかし一方のナンバー2は、条件が合うかどうかを確認してから後に、やるかどうかを決めようとする。
決断に関する両者の違いは、実行性とそのスピードに大きな差をもたらすことになる。
後者(ナンバー2)の決断は、「やりたいけど、できない」という結論に達することが多く、“「やる!」”となってもタイミングを逸することが多い。
その点、トップの決断には、他を圧倒する迫力がある。
仮に、場所的に魅力的な店舗物件の情報が入ったとする。
賃料、面積など出店基準をオーバーしていたとしても戦略性を優先して“「やる!」”を先に決めて、それから条件闘争に入る。
その決断力とその後の交渉力の大胆さをみると、やはり器の違いを感じざるを得ない。
つくられたルールや基準は、概ね過去の経験値だ。
現状のリスク回避には効果的かもしれないが、変革的な手段には為り得ない。
変革的なトップリーダーに限って、ルールや基準は必要悪だと思っている節がある。
だから、戦略的な行動において妨げになると感じたときは破るしかないと心に決めている人が多い。
さらに、両者の違いは経営計画のつくり方にも反映される。つまり、足し算と割り算の差としてあらわれる。
ナンバー2は、できることを積み上げていこうとする足し算思考なのだ。
だが、トップは違う。
“「やる!」”と決めた内容、目指すべき成果を割り算する。つまり、割り算思考なのだ。
例えば、実行日数で割り、一日にどれだけの成果を出すべきか、そのために必要な人材と数はどうか、どうすればできるかなど役割の分担化を考える。
“「やる!」”と決めることの重要性をトップとナンバー2の差という象徴的な表現をしてしまったが、要は、自らが描いた目的に対する不退転の覚悟の差だと考える。
目的地へ到達する手段は幾通りもあるのだ。敢えて、できない手段を並び立てる必要もなかろう。
“「やる!」”と決めることは、できる手段を「考え抜く」ということである。
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