子育世帯を支えるという理念

子ども手当と児童手当

　子ども手当は民主党が平成21年のマニフェストに掲げた目玉政策で、社会全体で子育て世帯を支えるという理念に沿って、平成22年度から中学生までの子どもを対象に、所得制限なしに一律で月額13,000円を支給しました。

　児童手当は子ども手当の導入前に実施されていた政策で、年収800万円程度のところに所得制限を置き、額は、1人目または2人目であれば、月額5,000円、3人目以降であれば、月額10,000円、3歳未満の児童に対する児童手当の額は、出生順位にかかわらず一律10,000円支給でした。

３党合意の新こども手当

　民主・自民・公明3党は8月4日に子ども手当の見直しで正式に合意し、今年10月から一律の支給額を変更し、0～3歳未満は15,000円、3歳～小学生は10,000円（第3子以降は15,000円）、中学生は10,000円とすることにしました。

　さらに、来年度には子ども手当を児童手当に衣替えし、支給対象を世帯年収960万円以下とする所得制限が設けられます。

年少扶養親族控除も子ども手当てもない

　子ども手当の導入に伴って年少扶養控除（所得税で38万円）が廃止されており、さらに今後、年収960万円で所得制限が設けられると、夫婦でそれぞれ500万円づつ稼いでいる子育て家庭では控除も手当もなくなります。

年少扶養控除廃止と子ども手当での補填

　年少扶養親族控除が廃止されたことにより、所得税(5～40％)と住民税(10％)は下記のようにそれぞれの税率段階に応じて、扶養親族１人当たりの税額が増えています。

38× 5％＋33×10％＝ 5.20万円

38×10％＋33×10％＝ 7.10万円

38×20％＋33×10％＝10.90万円

38×23％＋33×10％＝12.04万円

38×33％＋33×10％＝15.84万円

38×40％＋33×10％＝18.50万円

　所得税率33％、40％ラインの人は、今後子ども手当支給対象外です。共働き世帯では、23％ラインの人も対象外でしょう。20％ラインのところで、税の増を子ども手当の支給でやっと補填している状況です。

　子育て世代に優しくない税制がこのままでよいのか、疑問になります。

Comments

[投稿情報: 子育て世帯主です。]

子育て世代に優しくない税制といより、子育て世代だけ差別的に扶養控除を認めら無い税制って気がします。
税金から月１万とか１．５万も手当が所得制限付ででるだろうとか言われますが、税金が基礎年金の半分を補填している年金を受給している老人の方が、遥かに税金を受け取っています。
しかも、この基礎年金負担分って所得制限無しですよね。
それなのに、毎月１３万もの年金を受け取る老人を扶養すりゃ５８万もの扶養控除を認める。
これをどう納得すれば良いのか、私にはその術を見出せません・・・。