“IT”(Information Technology)とは情報技術(情報を取り扱う技術)。そして「経営」は、経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)を上手く活用して利益を出し、企業を存続させていくこと。同じ経営資源があっても、それを上手く扱える企業とそうでない企業では経営力に大きな差がでます。IT経営とは、4つの経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)のうち特に“情報”に焦点をあて、それを最大限に活用して経営に役立てようというものです。
では、なぜ情報を活用するのにITが必要なのでしょうか?実にシンプルです。もっと効率よく儲けるためです。社内に散らばった膨大な量の情報を紙ベースで集めるのは至難の業です。
例えば、商品の売れ行きが悪くなった時、売上実績情報や営業担当者が持っている現場の情報、お客様から寄せられるクレーム情報など、様々な角度からの分析が必要になります。これらの情報を各部門に問い合わせ、すぐに出せと言っても担当者の頭の中にしかなかったり、手作業のためすぐに集計結果を出せなかったりしたら、迅速な経営判断はできません。それを解決するために、ITという道具を使って情報をデジタル化、共有化する必要があるのです。
情報は持っているだけでは価値はありません。情報は使い方次第で様々な利益を生み出していきます。情報を限られた部門で保持するのではなく、全社で共有し、タイムリーに経営判断の手助けをする。それが「IT経営」なのです。
多くの企業はITを効率化の手段として活用しております。確かに、業務の効率化、コスト削減も必要なのですが、それだけでは単なるヒトの作業の肩代わりにすぎません。
ITを経営に役立てたいのであれば、コンピュータにできるところは、コンピュータに任せ、“ヒト”にしかできない部分、つまり情報を元に戦略を立てる、といったところを“ヒト”が担えばよいのです。その作業分担をしっかり見据えた上で、IT投資を考えることが「IT経営」の始まりだと考えます。
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