最近の不動産市況の動きは、全体としてやや減速傾向にあるが、依然として取引件数は多く、状態としては堅調だと言える。
この堅調さを下支えしているのは、異次元の金融緩和であり、今後の金融政策の変更には、十分に注意をしておきたい。
さて、中国経済の不透明感から昨今の株式市場には落ち着きがないが、株長者が不動産を積極的に購入するケースはめっきり減っている。富裕層が購入する不動産といえば、高級住宅街の住宅、タワーマンション、投資用収益物件、リゾート物件などだが、未だに関心を寄せているのは開業医や企業オーナーなどの高額所得者が中心で、一時的な所得を得た階層の購入比率は減っている。
今後、株価の乱高下に続いて、実体経済の停滞や円高傾向が国内景気に水をさし、不動産需要を冷え込ます影響は排除できない。特に地方都市では、春先からの中国景気の落ち込みで影響を受けている企業が多く、地域経済が悪化し、不動産市場にも悪影響を及ぼし始めた所も散見されるようになってきた。
こうした中、一定の割合で取引され、更にその割合が少しずつ増えているのが、相続絡みの取引である。相続発生後の不動産売却はもちろんだが、老後の資金確保、介護施設入居に前後しての不動産売却など、“終活”も多く、不動産の所有者が身内以外へと移る時代が本格的に到来している。
(情報提供:ネットワーク88)
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